NDC戦略のミス、業績にくっきり アメリカン航空、通期の影響額15億ドル予想
2024.08.05 00:00

航空会社の収益拡大につながると目されている新流通規格(NDC)は、どの程度まで普及するのか。旅行会社にNDCを利用した販売を促してきた米アメリカン航空(AA)が方針転換を余儀なくされ、業績に多大な影響が及んでいる。
第2四半期(4~6月)の連結売上高は四半期で過去最高の143億ドルを記録したが、期待値にはほど遠いものだったようだ。純利益は7.2億ドルで競合他社を大きく下回る。旅行会社に対する強硬策が裏目に出た。
ロバート・アイソムCEO は7月25日に開催した業績発表の電話会議の冒頭、流通戦略の誤りが大きな要因の1つだとした。改善策を列挙し、旅行業界の重要性を強調した。
NDCは公式サイトと同様の多様な運賃や付帯サービスの販売を、第三者を介した流通でも可能にする。従来の流通システムの中心を担ってきたGDSから移行する動きが広がり、中でもAAは初期の推進メンバーで積極派。
同社は昨春からGDSで扱える運賃を大幅に制限した。加えて、今年5月には、NDCで一定割合の予約を行わない旅行会社に対し、法人向け販売でマイルやロイヤルティポイントの付与を停止する措置を講じた。
これが反発を呼ぶ。旅行会社経由の予約のシェアが低下し、業績に響いた。それもそのはずで、GDS経由の旅行会社の売上高は23年に140億ドル。法人向け販売の比重も大きい。
同社は対応策としてすでに各制限を解除し、旅行会社向け営業チームを拡大する。アイソムCEOは対応は好評だといい、法人旅行大手を含む各社と有意義な話し合いを行っているという。ただ、「下期を通じて売り上げと利益に影響を与え続ける」とし、その額は通期で15億ドルと予想した。
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