観光庁、海外旅行促進へ旗振り 本格回復へてこ入れ策 各国と連携強化
2023.03.27 00:00

観光庁は日本人の海外旅行の本格的な回復を促すため、集中的な対策を講じる。「アウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージ」として、2国・地域間での海外旅行者数の設定など諸外国との連携強化等に取り組む。近年は安全情報の発信や海外教育旅行の支援にとどまっていたが、施策の幅を広げ、25年にコロナ禍前の2000万人水準への回復を目指す。
海外旅行の促進は双方向交流による航空路線網の充実、ひいては訪日旅行市場の拡大に寄与する。しかし、これまで本格的な施策は講じられてきておらず、一部の国からはギブアンドテイクの関係を求める声も上がっていた。和田浩一長官は「以前から海外旅行促進が重要という認識は持っていた。回復が芳しくないなか、てこ入れする必要があり、戦略的・実践的に行いたい」といい、主体的に国民に海外旅行を呼びかけていく考えだ。
施策の柱の1つは、相手国との協力の枠組みの整備。各国政府観光局が用意している各種インセンティブも十分に活用されていないケースがあると見て、事業者との間を取り持ち、有効活用を促す。対象はインバウンド誘致の重点市場やJATA(日本旅行業協会)の重点方面などを優先する見通し。
海外旅行増加の可能性が高いと見る若者・シニア層を中心とする取り組みも検討する。政観や旅行・航空会社と連携したキャンペーンが一例。各具体策は業界関係者と連携しながら詰める。
国が旗を振る海外旅行促進策は、黒字減らしを目的としたテン・ミリオン計画以来といえる。ただ、今回の政策は既存事業やすでに民間主導で取り組む施策も見られ、予算の裏付けも少ない。どこまで本腰を入れられるか、腕の見せどころとなりそうだ。
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