旅工房、GoTo不正関与で高山社長辞任 債務超過リスクで経営に焦り
2023.02.20 00:00

旅工房は、高山泰仁代表取締役会長兼社長が2月28日付で取締役を辞任し、後任の社長に経理・財務畑出身の岩田静絵取締役執行役員が就任する。2月13日開催の取締役会で高山氏から辞任の申し出があった。同社はこれに先駆け、昨年明るみに出たGoToトラベルキャンペーン給付金の不正受給について事実関係を再検証しており、高山氏の関与が明らかになっていた。
GoToでの不正は20年11月、取引先企業を通じて計2万240泊分の研修付き宿泊商品を販売したが、1万1078泊分が不泊だった。給付金申請額は約6億円。再検証委員会の調査報告書によると、不正に関与した元取締役と高山氏の当時のやり取りから、関係各社が相応の利益を得るスキームを認識したうえで早急に進めるよう指示していたことがわかった。事後には、刑事事件化への対策として、証拠隠蔽に近い指示と受け取れるやりとりがあったという。
同社はコロナ禍で業績が急激に悪化し、21年3月期末に債務超過に陥った場合に金融機関による貸し剥がしが懸念される状況にあった。高山氏は売上高や利益が大規模な案件としてGoToに多大な関心を示し、進捗状況や売り上げ等の試算の報告を何度も元取締役に求めていたという。
同社の23年3月期第3四半期(22年4~12月)連結決算は純損失8億円で、約9億円の債務超過。高山氏は1996年から代表を務めてきた。取締役辞任後も株式は引き続き保有する。
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