JTB、黒字化へ大構造改革 拠点・人員削減、ソリューション事業拡大
2020.11.30 00:00

JTBは21年3月期の連結経常損益が1000億円規模の赤字になる見通しとなったことを受け、抜本的な構造改革に乗り出す。拠点や人員の削減を中心に緊急的な経費削減策を講じるほか、デジタル化を推進し、ソリューションビジネスを事業の柱に成長させる。山北栄二郎代表取締役社長は「28年までに営業利益450億円を安定的に確保できる企業へと再生を図る」と述べ、コロナ禍前より高いビジョンを掲げた。
中間期(20年4~9月)は売上高が前年同期比81.1%減の1298億円となり、営業損失711億円を計上した(前年同期は64億円の黒字)。需要回復は来年下期以降とにらむが、「21年度の黒字化実現を目指す」(山北社長)といい、経費にメスを入れる。国内グループ会社を業務支援系を中心に10社以上、海外は190拠点以上減らし、国内店舗も115店舗削減する。人件費は早期退職の拡充や22年度の新卒採用見合わせなどで6500人減らし、年収も平均3割以上の削減に踏み切る。
今後の回復と成長に向けた方向性も打ち出した。新規ビジネスとして、ソリューション事業への投資を加速させる。企業向けに仮説から検証・改善まで総合的な支援策を提供し、一大分野に育てる。地域に対しても商材の予約プラットフォームなどを通じたソリューションに力を入れる計画だ。
既存の旅行事業はデジタル化で変革を促し、スマートデバイスを接点に購買から現地体験、旅行後までシームレスに提供する。国内はダイナミックパッケージの比率が現行の2割から21年度には8割に上昇するとみている。
営業利益の目標額はかつて同社が掲げた200億円を大きく上回る。達成にはソリューション事業の定着と拡大が鍵を握っている。
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