『S Cawaii! 韓国最新ベストコスメ』 堅調な日韓旅行の裏に文化のチカラ
2019.04.01 16:32

なんだかちっとも収まりのつかない日韓関係。もはや習慣のように政治家同士の喧嘩が延々と続いている。
その一方で、日韓相互の渡航者数は減る気配がない。また、民間・文化交流はどんどん進化・深化しているのだ。たとえばこんな雑誌が出るほどに。
20代半ばの女の子をターゲットにしたファッション誌「S Cawaii!」の韓国コスメ特集号。巻頭には韓国コスメを語るこんな声が躍っている。
「デパコスくらい感度の高いコスメが、プチプラコスメの値段で買える」
「絶妙に“自分の顔がよくなりそう”っていうコスメが次々出てくる」
デパコス=デパートコスメ。若い女の子にはデパートコスメは敷居が高いが、ドラッグストアの安いコスメは物足りない。そんな世代に韓国コスメはぴったりなのだ。昔から種類の多さと安さで人気が高かったが、最近では質の高さ、デザイン性の高さも注目の的。
これを後押ししているのが、日本での韓国系アイドルの活躍だろう。巻頭特集の「オルチャンメイク」とは、「韓国っぽい顔になるメイク」のこと。ぱらぱらページをめくると、白い肌、太めの眉、印象的なアイメイクと、確かにうちの宿に来る韓国女子ゲストもこんな顔してたなあ、という感じ。
コスメだけでなく、ドラマ、映画、ファッションとあらゆる場面で韓国カルチャーは日本になじんできている。逆に、宿に来る韓国人ゲストにとっては、USJやジブリ、日本の最新ファッションはおなじみの存在のようだ。
以前のように、政治情勢が怪しくなってくると渡航者がガクッと減るようなことがなくなったのは、こういう文化交流の賜物でもあると思う。互いを知ることの強さや大事さを、キラッキラなオルチャンメイクや韓国爆買いマップを眺めながら思うのであった。
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山田静●女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊に『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。京都の小さな旅館「京町家 楽遊 堀川五条」「京町家 楽遊 仏光寺東町」の運営も担当。
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