日韓関係悪化で訪日旅行に影響、路線運休やツアー予約減少

2019.08.12 08:00


 韓国の輸出規制の厳格化などによる日韓関係の悪化を受け、韓国からの訪日旅行に影響が出始めている。

 7月末時点で少なくとも韓国系航空会社4社が計8路線で運休・減便を決めた。チャーターの運航計画を中止するところも出てきている。訪日ツアーの予約に落ち込みが見られ、訪日市場を牽引してきた主要市場だけに関係者からは長期化を懸念する声が上がっている。

 ティーウェイ航空は7月24日に大分/務安線を運休したのに続き、8月12日に同/釜山線、9月に熊本/大邸線、佐賀/釜山線を運休する。9月はエアプサンが関西/大邸線を減便するほか、イースター航空が新千歳・関西/釜山線、大韓航空(KE)が新千歳/関西線を運休予定。KEは「需要が低迷しており、日韓関係の悪化が原因の1つと考えている」と話す。コリアエクスプレスエアは予定していた長野・出雲/釜山間チャーターの中止を余儀なくされた。

 ある韓国系ローコストキャリア(LCC)の幹部は、中韓関係の改善で両国間の旅行需要が回復していることに触れ、「今後リソースを日本でなく中国に投入する可能性があり、今回の問題を機に日本離れが進むかもしれない」と危惧する。

 ハナツアージャパンでは、7月8日ごろから訪日旅行の新規予約が減少している。「自然災害があっても3~6カ月で需要がほぼ回復する傾向があったが、これまでの領土問題などに比べても影響は大きい可能性がある」と指摘する。

 大阪観光局によると、府内で予定されていた日本と韓国の学生交流事業について、韓国側から数件のキャンセルの申し出があった。プロモーション部は「昨年の台風や地震の影響から需要が回復している最中に水を差す状況だ」としている。

 

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