募集+手配の同時契約に光明 グローバルユースビューロー、高リスク商材を積極販売

2025.03.24 00:00

タイトルに「別途手配」と明記

 グローバルユースビューローは、パッケージツアーの一部サービスに手配旅行契約を適用する契約形態へ果敢に取り組んでいる。希少性の高いホテルやイベントなどは顧客ニーズが高い半面、早期予約や払い戻し不可など取引条件が厳しく、標準旅行業約款の取消料規定でカバーできない。募集型企画旅行と併せて2つの旅行契約を同時に締結する難しさはあるが、適用したツアーは販売が好調で催行が決定した。

 対象は、買い取りが条件となっていた高級ロッジ「バムル・プレインズ」や豪華寝台列車「ラ・ドルチェ・ヴィータ」を含むツアー。JATA(日本旅行業協会)が23年に改定した旅行広告・取引条件説明書面ガイドラインに基づき、パンフレットに「別途手配」と明記した。

 ガイドライン改定は取消料問題への対応が狙い。ツアータイトルに別途手配と近接表記すれば、1つの旅行広告で募集と手配の2契約を締結できる。同社は消費者の誤認を避けるため、同社ツアーに参加経験があり、告知を見て資料を請求した人に限り案内。口頭と書面で説明を重ねた。

 柴崎聡代表取締役社長は「世界で人気のユニークな企画は高額で人数限定が多い。募集型企画旅行の枠組みでは旅行会社のリスクが大きく、日本には世界で注目されているようなツアーがない残念な状況」と指摘する。サプライヤー側は付加価値を理解し厳しい条件にも応じる買い手との取引を望んでおり、三方良しの策と見る。

 クルーズ旅行への適用も検討中だ。ラグジュアリー船の上級キャビンはアップグレードの依頼が多いものの、予約時から全額取消料が発生するため、クルーズ旅行約款ではすべて賄えない。柴崎社長は付加価値の高い商品の提供に必要な挑戦としている。

【あわせて読みたい】キャンセル料、法改正を議論へ 消費者庁、現行ルールが実態にそぐわず  2024年7月29日号>旅のキャンセル料 時代に則したルールづくりに向けて