旅館・ホテルの人手不足深刻 TDB調査 業界復活のボトルネックに
2022.10.31 00:00

長引いたコロナ禍も一区切りつき、経済活動が再開するなか、企業の人手不足感が高まっている。なかでも旅館・ホテル業の人手不足は深刻な状況にある。帝国データバンク(TDB)が9月に全国約2万7000社を対象に実施した動向調査で明らかになった。
正社員が不足していると感じる企業の割合は全体の50.1%を占めた。19年11月調査(50.1%)以来、2年10カ月ぶりに半数を上回り、新型コロナウイルス感染拡大後の20年4月以降で最大となった。
非正規社員についても同様の傾向が見られ、今回調査では30.4%が人手不足を感じており、コロナ禍で初めて3割を上回った。20年4月時点(15.2%)と比較すると、人手不足企業の割合は倍増している。
業種別に見ると、正社員が不足していると感じるのは情報・サービスが71.3%、非正規社員では飲食店が77.3%と最も高いが、旅館・ホテルは正社員で62.5%、非正規社員では62.3%とともに高水準で、それぞれが6割を上回る唯一の業種となった。
10月11日に観光需要喚起策の全国旅行支援がスタートし、企業全体の34.3%が自社にプラスの影響を見込み、特に支援策の影響を直接受けやすい旅館・ホテル、旅行、飲食店などの業種では70.3%がプラスを期待する。その一方で、観光業界内からは「人手不足で思うように需要を取り込めないのでは」「人材がおらず旅行者の受け入れ対策に課題がある」など不安を感じる声が多いという。
今後も政府などからの継続的な支援策による観光業界の復活が望まれるなか、TDBでは、人手不足が回復のボトルネックとなる懸念が生じているとの見方を示している。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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