観光業のGDP寄与額、20年は半減 WTTC調査、失業者6200万人
2021.04.26 00:00

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)がまとめた調査報告で、全世界のGDP(国内総生産)に対する旅行・観光業の寄与額は前年から49.1%(4.7兆ドル)減少し、4.6兆ドルとなった。19年に10.4%を占めていた全世界のGDPに対するシェアは5.5%に縮小。失業者は6200万人に上り、産業の従事者は18.5%減の2億7200万人に縮小した。ただ、6月までに国際的な移動や旅行が再開されれば、22年には19年レベルに回復する可能性を示した。
調査は10月にも発表しており、当時の渡航制限が20年末まで続くと仮定して算出した失業予測からは1億800万人の改善が見られた。約80%が中小企業で、女性や若者などへの影響が甚大だった。また、国際旅行支出は69.4%減となった。国内旅行支出は45.0%減だが、国によって偏りがある。
WTTCは世界的に21年の冬までは都市封鎖(ロックダウン)の影響で数百万人規模の移動抑制が続くと見ている。ただ、仮に6月までに渡航制限が解除され国際的な移動が再開されれば、全世界のGDPに対する旅行・観光業の寄与額は前年比48.5%増となる可能性を指摘している。その場合、20年に失われた6200万人の雇用は22年までに回復すると見込んでおり、WTTCは6月までの安全な海外旅行の再開を強く訴えている。
安全に海外旅行を再開させるためには、国レベルではなく個人レベルでのリスク評価への移行が重要との考え。ワクチン未接種者の検査体制をはじめ、マスク着用義務や衛生プロトコルの重要性も指摘。また、欧州連合(EU)が導入準備を進めている自由な域内移動を認めるデジタルグリーン証明書に触れ、デジタル版ワクチン証明書の導入が回復を支えるとしている。
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