ホテル開発投資、東京が人気トップ 需要回復と宿泊料上昇で CBRE調査

2025.03.17 00:00

 アジア太平洋地域のホテルへの投資熱が高まっている。事業用不動産サービス大手のCBREの調査から、投資家の意向が明らかになった。24年に続き、25年も投資が大きく増えると予想。投資先は東京が首位で、シドニーが続き、ソウルとバンコクが同率で3位となった。

 調査は昨年11~12月、ホテル分野への投資意欲や戦略などについて、アジア太平洋地域の不動産を投資対象とする投資家やデベロッパー、ホテルオペレーターから回答を得た。

 これによると72%のホテル投資家が投資額を増やすと回答。観光需要の回復(66%)と新規開業が限られていること(54%)が追い風になると見ている。日本、シンガポール、オーストラリアを中心に海外からの来訪客数が回復したことを受け、アジア太平洋地域への投資配分を増やしている。新規開業は、ベトナムと中国本土を除いて限定的となる見込みだ。

 アップスケールやアッパーミッドスケールに最も関心が向き、ラグジュアリーホテルからシフトしている。運営契約終了に伴うオペレーターの入れ替えで稼働率の改善が期待できること、労働力不足と賃金上昇のなかで必要人員を抑制できることが要因。運営コストが低い宿泊特化型も好まれている。

 日本については、金利の先高観は広がっているものの、宿泊料のさらなる上昇が予想され、投資家の関心は引き続き高い。東京、大阪、京都のみならず、地方都市にも目が向けられている。

 最近はコリビングスペースへの改装の機会を求めるデベロッパーが多く、日本、香港、シンガポールで顕著という。固定賃料が比較的多く、費用対効果の高い宿泊施設へのニーズが強いことが背景にある。

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