中小支援やAIが共通課題 G7初の観光大臣会合で議論
2024.12.02 00:00

主要国の首脳会議で観光がテーマに設けられるケースが増えている。11月13~15日にイタリアで開催され、G7で初となった観光大臣会合がその1つ。持続可能かつ包摂的な観光、人材育成、AI(人工知能)の導入について議論された。取りまとめたコミュニケ(声明)では、危機と紛争に見舞われる国際情勢の中で国家間の架け橋となり、相互理解と尊重を促進する上で観光が果たす役割が極めて重要とした。
声明では、経済的繁栄、雇用、福祉の原動力として、観光を政策課題の上位に維持する必要性も明記された。
出席した観光庁の秡川直也長官は「各国とも課題は似ていた」と語る。特に産業の特性に中小・零細企業の多さが挙げられ、支援を巡り各国から問題提起がなされた。税制や補助金で支援する例がある一方、ビジネスに国が支援することの是非を問う声もあった。
包摂的な観光では、高齢者や障害者に旅行を楽しんでもらうことが重要とし、日本の高齢者人口の割合や旅行状況を共有。いかに旅に出てもらうか、そのために何ができるか議論をした。
AIに関しては、人がやらずに済む部分に極力活用していくことが重要となるが、各国ともうまく使い切れてない部分がある。偽情報の流布など潜在的リスクもあるため、いかにコントロールして観光全体にうまく使っていくかが大事との議論に至った。
声明では、AIを含むデジタル技術の恩恵を活用するため、すべての関係者が必要なスキルと能力を身に付けられるように、教育機関、テクノロジー産業、観光産業間の対話を推奨することを明記した。
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