「観光が未来の主導的役割を」 UNツーリズム、G20観光大臣会合で要請
2024.09.30 00:00

ブラジルのベレンで9月21日に開催されたG20観光大臣会合で、国連世界観光機関(UNツーリズム)のズラブ・ポロリカシュビリ事務局長は、人と地球にとってより公平で持続可能な未来を築く上で観光産業の重要性を強調した。大きなポテンシャルを持つ観光が先導的役割を果たす必要があるとの考え。
G20は全世界の国際観光客の7割以上を占め、観光の直接GDPは23年に2兆8000億ドルとコロナ禍前の水準に完全に回復している。ポロリカシュビリ事務局長は未来に照準を移した取り組みが必要だとし、地域コミュニティーに権限を与え巻き込むこと、気候変動対策、生物多様性の実現、循環型経済の進展を挙げた。
また、開発途上国にとって観光は雇用や外貨獲得の主な源泉となっているが、観光分野への政府開発援助(ODA)支出総額は全体の0.25%未満にとどまる。「観光分野は開発の手段として見過ごされ続けている」と指摘した。
一方、国際労働機関(ILO)の統計によると、観光産業の人材不足が顕著で、30年までに年間約88万人の専門的な訓練が必要となる。産業の未来を支え変革を促すための鍵として、教育とスキルが重要と強調した。
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