愛知と別府がラーケーション導入 平日に家族と校外学習 旅育や需要分散に期待
2023.09.11 00:00

子供が保護者との校外学習を目的に平日に学校を休める、「ラーケーション」と呼ばれる制度が一部の自治体で始まっている。家族と活動することは子供の成長を促す大きな効果があるとの観点から、校外学習活動の一環として休みを認める。愛知県では「ラーケーションの日」、大分県別府市では「たびスタ」の名称で、9月から新たにスタートした。
ラーケーションはlearning(学習)とvacation(休暇)を組み合わせた造語。愛知県は県内の公立学校(小中高校、特別支援学校)を対象に、子供が親や祖父母などと共に家庭や地域で体験や学びの活動をするための休みと位置付けた。9月から開始したのは14市町村で、24年1月までに53市町村・1003校で導入される見通し(9月4日時点)。
別府市のたびスタは、旅とstudy(学習)を組み合わせた。愛知県との大きな違いは市外への旅行を条件にしていること。対象は別府市立小中学校に通う子供。家族旅行を通じて子供の成長を促す旅育の推進に加えて、平日や閑散期の観光需要喚起による地域経済の活性化も目指している。
いずれも事前申請で、全校行事などで休暇を取得できない日を除き、年間3日まで休暇を取得できる。連続での取得も可能とした。学校に登校しなくても欠席とはならず、出席停止・忌引等と同じ扱いとする。休暇を取得した分の授業内容は家庭での自習で補う。
愛知県では土曜に働いている人が約45%に上り、日曜にも約30%が働いている。別府市では主産業の宿泊業・飲食サービス業を中心に、第3次産業に携わる人の割合が全国的にも高い。ともに祝休日に子供と一緒に過ごすことが難しい家庭が少なくないため、平日に活動できる機会を設けた。
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