タクシーの相乗りサービス解禁、目的地に近い乗客の同乗で料金割安に
2021.11.15 00:00

タクシーを利用する時、乗車前に配車アプリ等を使って目的地が近い客同士をマッチングできる相乗りサービスが始まる。国土交通省が11月1日から運用を認める通達を公布した。通称は「シェアタク」。相乗りすることで個々の利用者の支払い金額が割安になるほか、交通手段が限られるケースなどで利便性が高まる。タクシー事業者にとっては生産性向上につながることが見込まれている。
運用開始に合わせ、新たな運賃ルールを制定した。出発地と目的地が同じであれば、人数(グループ)によって簡単な割り算も可能だが、原則として乗車距離に応じて利用者ごとに料金を案分し、配車アプリ等で事前に支払い料金を確定する。最も長く乗車する客であっても、途中乗車・降車する客の負担分を差し引いた額を支払う仕組み。ただし、座席指定の対価など、合理的な範囲内で案分比率を増減することも認めることとした。
タクシー乗り場などで運転手が声を掛けて案内・誘導することはできない。また、トラブル防止のため、異性同士の同乗など事前確認や承諾が必要な内容の設定や、自宅や勤務先を知られるプライバシーリスクの注意喚起が事業者に求められる。
相乗りサービスでは料金面以外のメリットも見込まれる。地方観光などで、鉄道駅から特定の目的地への2次交通が限られる際の利便性向上につながる。また都心部では、タクシー乗り場での待ち時間短縮のほか、事故・トラブル等で鉄道の運行が停止した際の代替手段などとしても期待される。
国交省は実施状況を定期的にモニタリングし、バスとの整合性を勘案しつつ必要に応じて見直しを行うこととしている。
【あわせて読みたい】タクシー変動運賃の実証実験開始 国交省、制度化見据え課題抽出
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