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概要

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●10年後の旅行手配の流れStep1【旅行先を提案】? eエージェントが個人に合った旅先や旅程を提案? 嗜好や行動スタイルなどを熟知した人工知能により、提案内容がパーソナライズ化? ユーザーは対話するように要望をつぶやくStep3【検索・予約】? 新検索ツールが過去の検索履歴、SNS、メールのやりとりなどビッグデータを分析? ニーズや予測行動に基づき精度の高い検索結果を表示? 航空券やホテル、公共交通機関などの情報が一元化。ワンストップで予約可能にStep2【疑似体験】? 旅行関連企業が疑似体験サイトを運営し、人工知能と接続? 景観をバーチャルリアリティーで試体験。触覚も加わる? 複数の候補地から目的に合った場所を絞り込めるを網にかけて検索し、価格などの情報を一覧表示して消費者が比較検討しやすい環境を作り出している。スカイスキャナーはまさにその一角を成すが、同社のガレス・ウィリアムズCEO は、現在一般的に行われている複数のチャネルやデバイスを通じた旅行検索や予約スタイルは過去のものになり、「旅行検索と予約はアマゾンで本を購入するのと同じように簡素化する」と予測する。 鍵を握るものの1つが「セマンティック検索」だ。利用者が何を求めて検索を行ったかをコンピューターが正しく解釈し、それに即した検索結果を提供する技術を指す。未来旅行白書では、大手旅行関連ブランドが今後10年の間に、オンライン上でこのセマンティック検索ツールを用いるようになると予見する。検索ツールがビッグデータの分析を行い、理想的な休暇プランのオプションを拾い集める。航空券、ホテル、公共交通機関などの情報がひとつにまとめられ、ワンストップで検索・予約ができるようになるというのだ。 もちろん、実現に向けては、提供する側の企業が、個人のSNS や検索履歴、メールのやりとりまで把握できるようになることが欠かせない。それについても白書では、ユーザーは自分の好みや以前使用した検索条件が保存されることを期待するようになるといい、そのうえで、企業はニーズや好み、予測される今後の行動統計を総合的なものにすることが可能になると見通す。 スカイスキャナーのマーガレット・ライスジョーンズ会長は、この技術により、「旅行関連企業はユーザーのソーシャルメディア上の投稿だけでなく、友人間で交換されるアドバイスを効果的に活用し、より正確かつ想像力の溢れる旅行の選択肢を提案できるようになる」とする。また、マイクロソフトが開発に着手した「Cortana(コルタナ)」のように、人間の顔の表情を読み取る技術を用いれば、検索結果にユーザーが満足しているのか否かを判断できるようになり、提示される内容の精度が向上する。 現時点では、これらのサービスはまるで夢のように思える。実現の可否もユーザーのニーズや受け入れ土壌に拠るところが少なくない。しかし、10年後には、I 世代と呼ばれる技術の進歩とともに成長している13歳以下の世代が成人し、そのひとつ上のD 世代(デジタル世代)とともに、キーボードを叩いたり画面にタッチすることなく機械と話すことを自然に受け入れる市場が形成されていく。そのとき、旅行業界はどのように時代に向き合っているだろうか。利用者ニーズを的確に把握TRAVEL JOURNAL 2014.6.16 79次の半世紀へPart 3 ● 展望|特|集|