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概要

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3D 仮想現実を楽しめるオキュラス・リフト。その場に自分がいる感覚で旅行先のお試しに活用できる先駆的技術社も商品の一部としてウェアラブル人工知能を貸し出すようになると予測。ユーザーはリアルタイムで旅行会社と連絡を取り、旅行内容を微調整したり、発生するトラブルに対応することができるようになると見通す。 また、eエージェントの登場が、提案や予約にとどまらず、旅行そのものに変化をもたらすと見るのは、スカイスキャナーのアリステア・ハン最高技術責任者。タクシーの運転手が話す言葉を同時通訳したり、メニューを一瞬で翻訳してくれる技術が備わるというのだ。ビクトリア大学ウェリントン校で観光の未来について教鞭をとるイアン・ヨーメン准教授は、「5年以内にグーグルグラスでできることがコンタクトレンズでできるようになり、最先端のウェアラブル機器が10年以内には主流になる」と明言する。 10年後の近未来では、旅行先が決定してから予約までの過程で、これまでになかった新たな工程が加わる。旅行前の「お試し」だ。 未来旅行白書は、旅行会社や旅行関連ブランドが、購入前にデスティネーションの風景などを試せるウェブサイトを運営すると予想する。旅行予定者が自身の携帯する人工知能からサイトに接続すると、さまざまな景観がバーチャルリアリティー(仮想現実)で映し出される仕組み。3D の立体映像で見ることができるほか、触覚などの体感する機能が備わる。 その代表例が、米オキュラスVR が開発した「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」だ。バーチャルリアリティーに特化したヘッドマウントディスプレイで、フェイスブックは今年3月、同社を買収することで合意した。頭に装着するとレンズを通して風景が目の前に映し出され、上下左右に見回したり、建物の内外を歩き回ることができる。近年ゲーム業界で大きな注目を集めているが、白書では、自宅に居ながら3D でさまざまな休暇のモデルコースを試体験する際に活用することが期待できるバーチャルリアリティー・デバイスの先駆けと評する。 さらに質感や触感を体験できる技術も開発されている。ディズニーが開発した「REVEL(レヴェル)」は、微細な振動を通してさまざまな物体に人工的な触感を持たせるもので、月面のクレーターやサボテンの針などの表面を触って感じることができる。NHK も類似の試作品を開発中で、画面に映し出される砂や海などといったオブジェクトの質感を視聴者が感じることができるようなシステムを目指しているという。冒頭に登場した仮想同居人たるeエージェントが旅行候補地の映像や音などを投影してみせるシーンは、まさにこれらの技術が用いられることになる。 旅行先を疑似体験できるようになると、その段階で旅行者が満足してしまい、かえって阻害要因になる可能性は否定できない。だが、未来旅行白書では、ユーザーが真に旅行に求めることに自ら気づけると肯定的だ。また、「バーチャルリアリティーは現実の旅行に取って代わることはできない。その目的に実際に行き、体験してみたいと旅行者に思わせることができる素晴らしい3D 体験」とし、旅行の動機付けや背中を押す効果に期待を寄せる。 旅行先が決まったところで、次のステップは検索・予約だ。現在、この分野で活躍するのが、メタサーチなどとも言われる比較サイト。数ある旅行サイト仮想現実で旅行をお試しTRAVEL JOURNAL 2014.6.16 78