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概要

TJ20140616_BN

TRAVEL JOURNAL 2014.6.16 55次の半世紀へPart 2 ● 思い|特|集|てくれたと思っていますよ。石田 ただ、旅を仕事にするというのはどういうことなのかと漠然と考える自分もいます。僕は皆さんに感動を与えたいけど、与えているものはちょっと違うのではないか。供給側と需要側のずれに葛藤があります。旅行会社の人たちも同じでしょう。ネットで誰もが航空券を買えて企画できるようになった今、旅行系サービスとは何か、今一度見直してもいいと思う。山田さんのおっしゃるように、感動を与えることに執着すべきかもしれません。石田 僕は11年3月に起業して3年ですが、わからないことを理解するのがまず大変で、毎日悩んで実行して失敗して成功してつかむ、の繰り返し。迷いながら全力疾走している感じです。山田 今は迷っているかもしれないけど、何かを見つけるんだという想いがわかる。チャレンジャーとして、どこへでも出て行って、何でも聞くという姿勢がいいよね。それをやっていってこそ必ず何かが見つかるし、経営も成功すると思います。僕は、サラリーマン時代を経て、72年にハローワールド設立以降、経営に携わってきましたが、経営は、いい人材を得ることが最も大切だと思っている。特に旅ではそれが顕著です。石田 僕も、手探りの3年で思ったのは、やはりいい人材を雇うことに尽きるということ。いい人材を集めていいチームでいい環境で仕事をする。方針を決め、ニーズとマーケットがあれば、会社としては問題がないのではないかと思っています。山田 ただ、僕は真の経営をやってこなかったと思うこともあるんですよ。資金調達も含め、お金で苦労したことがないから。中小旅行会社は皆お金で苦労していますね。石田さんが総額約3億円調達できたのはすごい。石田 IT 系は特に、軌道に乗せる前に時間とお金がかかるので、スピードをお金で買うという側面もあります。今は、投資という仕組みがあるので、幸いなことにこんな若造でも合計3億円ほど調達できました。運もありましたね。山田 銀行からしかお金を借りられない時代だったら、倒産してるよね(笑)。よく投資をする人がいたなと思うけど、いずれにせよ他人からそれだけの金を預かれるのは大したもんだ。石田 お金は手にしたら使う、使ったら稼ぐというのが僕のポリシー。金を使わない人にお金は回らないと思っているので。目標どおり株式上場できれば、IT会社、旅行会社、両方の側面で盛り上がっていけると思います。僕を信じてくれた投資家の皆さんにも投資以上のリターンをしたい。旅行業界を荒らしたいという気持ちはありません。お客様にいいものを届けるという思いだけ。業界を活性化させるためにがんばりたい。山田 旅ほど、小さい子供から老人まで全年代に接点のある産業はありません。旅の経営に求められるものは、常にすべての年代に喜んでもらうことを考え、商品を提供すること。有形でないから難しいけど、人が喜んでくれる商売ほど幸せなことはないですよね。僕は、「幸せ産業」という産業が出てきてもいいと思っている。そして、その核になるのが旅ではないか、と。50年前になかった旅行・観光産業が今存在するんだから、20 ~ 30年先に幸せ産業があってもいいよね。旅行業という範疇はもう要らない「幸せ産業」という産業が出てきてもいい。その核になるのが旅ではないか