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概要

TJ20140616_BN

 10年1月19日、日本航空が東京地裁に会社更生法を申請。負債額は2兆3221億円で、事業会社としては戦後最大の経営破たんである。業界ではさまざまな声が聞かれたが、ここからの動きは速かった。11月には再建計画が決定し、組織や人員整理、融資先との調整に着手。翌11年3月には会社更生法手続きの終結を東京地裁に申請し、12年9月には東京証券取引所市場第一部に再上場するという鮮やかな再建劇だった。 10年は航空業界激動の1年となった。まず3月に茨城空港が開港、成田空港の発着枠が拡大。10月には羽田空港新国際ターミナルビルが供用開始され、アジア・北米・欧州の航空会社が競い合うように就航した。同じ10月、日米オープンスカイ協定が締結され、国際チャーター便は個札販売規制が緩和となる。参入しやすくなった日本に12月に飛来したのがエアアジアXだ。ローコストキャリア(LCC)は少しずつ入ってきていたが、知名度もネットワークも群を抜くエアアジアX が就航したことは、旅行業界にも少なからず緊張感を与えた。 航空会社とはゼロコミッション時代となり、新顔のLCC はオンライン直取引が基本である。エクスペディアや楽天などオンライン系の会社が勢力を伸ばす状況下、各社は業態の見直しを進めた。10’ s11年3月11日の東日本大震災は、日本人のライフスタイル、そして旅にも甚大な影響を与えた。観光立国の次の一手として旅行会社は何を打つべきなのか、LCCやオンライン旅行会社の台頭で揺らぐ旅行業界の未来とは。新モデルへの転換続く2010年代2010年 1月 日本航空、東京地裁に会社更生法適用申請4月 ルックJTBが商品を大幅刷新。航空会社・便名指定、並び席確保、強制感のあるショッピング全廃へ4月 HISがハウステンボスの株式を取得、再建に乗り出す7月 日本旅行、トップツアー、近畿日本ツーリストが「ビジネストラベルネットワーク」設立9月 中国漁船が尖閣諸島付近で巡視船に衝突10月 羽田空港新国際ターミナル供用開始、国際定期便運航開始10月 日米オープンスカイ協定締結10月 国際航空運賃を上限認可制に移行10月 国際チャーター便の個札販売を緩和12月 エアアジアX、羽田/クアラルンプール線就航2011年 1月 JTB-BTSが内外航空を買収3月 SNSで消費者の旅を実現するトリッピース設立3月 東日本大震災発生3月 クオニイがガリバー・トラベル・アソシエイツの買収を発表3月 日本航空の会社更生手続き終了4月 IATA運賃、フレックスフェアに完全移行4月 ジャルパックとジャルツアーズが統合5月 中国政府、中国人海外旅行をJTBに認可2012年 3月 ピーチ・アビエーション定期便運航開始(7月ジェットスター・ジャパン、8月エアアジア・ジャパン就航)3月 エアアジアエクスペディアが日本法人を設立4月 WTTCグローバルサミットが日本で初開催5月 東京スカイツリー開業9月 日本航空、東京証券取引所市場第一部再上場9月 JTBがトリッピースと提携12月 HISがバンコクに拠点を置く国際チャーター専門会社を設立2013年 1月 近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが経営統合2月 JTBとエクスペディアが業務提携を発表5月 国交省がITC規制緩和、チャーター座席の卸販売可能に8月 東武鉄道、トップツアーを子会社化9月 2020年東京五輪開催決定2014年 3月 JTBが春秋航空日本に出資3月 羽田空港の国際線発着枠が大幅拡大TRAVEL JOURNAL 2014.6.16 39|特|集|次の半世紀へ