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概要

TJ20140616_BN

どに範囲が広がっていき、4月3日、政府は感染症と認め、該当地域への渡航延期を勧告する。3月に発生したイラク戦争とSARS はゴールデンウイークと夏の旅行シーズンを直撃し、この年の渡航者数は19.5%減の1329万人と、自由化以来最大の減少幅となった。 各地で発生する問題に減便も相次ぎ、この時期、業界内では「未曾有の危機」という言葉が頻繁に聞かれた。この危機を背景に、業界再編が急速に進む。01年、近畿日本ツーリストと日本旅行が合併を発表したが02年には白紙撤回。03年、JTBがパシフィックツアーシステムズ(PTS )を買収、楽天は「旅の窓口」を運営するマイ・トリップ・ネットを買収、04年にはエヌオーイーが新日本トラベルを買収、近畿日本ツーリストはクラブツーリズム事業を営業譲渡……。戦国時代を思わせる、生き残りをかけた再編が続いた。 航空業界も大きく動いた。01年、日本航空と日本エアシステムは事業統合を発表、02年、エア・ドゥは民事再生法を申請。羽田空港では近づく「国際化」を前に夜間・早朝チャーター便が解禁され、成田空港では第2滑走路が供用開始となる。 そんななか、03年には「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が始動。10年にインバウンド1000万人を目指し、韓国・米国・中国など重点地域を定め活動をスタートさせた。 04年、苦しむ旅行業界の大きな力となったのが、ドラマ「冬のソナタ」が火をつけた韓流ブーム、そして00年に訪日団体観光旅行が解禁され、03年に観光ビザが免除となり、イン・アウトともに追い風が吹いた中国である。04年の日本人渡航者数は26.6%増の1683万人でV字回復、安近短傾向で収益は低かったものの、ともかく数が回復したことは明るい話題だった。 韓国については、長年続いた「焼き肉・買い物」「激安」から脱し、ロケ地巡りや祭り見学など、この年を境に旅のバリエーションが増えた。ニーズに合った企画力があれば新たな市場が作れると、旅行会社の力を証明した。この作り込みのノウハウはその後のK-POP ブームに引き継がれ、他のデスティネーションにも応用されていく。 00年代後半は、05年4月の改正旅行業法・約款施行でスタートした。新しい業法では「主催旅行」「企画手配旅行」が一本化され「企画旅行」となった。同じ年に個人情報保護法が全面施行され、個人情燃油高騰でサーチャージ導入国際競争力強化への決断なのです木島茂雄(日本航空インターナショナル旅客営業本部副本部長・国際営業部長)●トラベルジャーナルの誌面からを無視するということはありませんが、“選択と集中”という言い方も当たっていると思いますね。ただ、旅行会社もJL だけではない数多くの航空会社との関係があります。そのなかでお互いに選択するようになるかもしれないし、どう変わってくるかというところでしょう。個々との取引は具体的な動きをみてから考えることになります。ただ、ボリュームの大小だけで判断するということはありません。その会社における当社のシェアやJLの売り方にどれだけ協力していただけるかといったことも大事だと思っています」 「最大の課題は、売ってもらえるために、 「会社の競争力をつけていくためには、ゼロコミッションが必要なんです。ただ、急に思いついたわけではありません。もともと9%だった航空券の基本手数料を01年に7%、07年に5%と、長い時間をかけて段階的に引き下げてきた経緯があります。当時からいずれは廃止の方向になり得るだろうと想定していました。その分、時間という意味では配慮してきたつもりです。もちろん、実施のタイミングや廃止するのか引き下げにとどめるのかといった議論はありましたし、さまざまな方の意見も聞きました」 「(取引する旅行会社について)すそ野プロダクトそのものの競争力を高めなければならない我々自身にある。その点では、消費者との間に立っていただく旅行会社にも内容をしっかり理解し、スピード感をもって販売していただきたいとの期待があります。特にビジネスマーケットについては、国際線におけるJL のネットワーク、ポテンシャリティを的確に伝え、企業のニーズを反映していただくのはまさに旅行会社の役割として期待しています。当社だけではすべてをケアできません。意図を総合的にくみ取ってしっかり売っていただけるところと関係を強化したい」(2009年1月5・12日号)TRAVEL JOURNAL 2014.6.16 37|特|集|次の半世紀へ