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16 TRAVEL JOURNAL 2014.6.16 NEWS IN BRIEFニュース短信　海外と日本のオンライン旅行会社（OTA）や関連事業者が一堂に会し、オンライン旅行業界の注目の動向について議論する国際会議、WIT ジャパン（Web in Travel Japan）が5月16日、都内で開催された。毎年シンガポールで開かれるWITの日本版。3年目の今年は昨年を上回る約380人が来場した。　目玉のひとつは、今後の戦略などを語る国内OTA 幹部のセッション。ここ数年2 ～ 3割の成長率を続けるi.JTB の今井敏行代表取締役社長は、14年の取扱高が2000億円に達し、中期計画を1年前倒しで達成するとの見通しを示した。20年には訪日旅行を含め4000億円を目指すという。リクルートライフスタイルは一昨年から、東南アジアで宿泊事業を開始。現在3カ国で展開し、売上高・取扱件数ともに拡大しているといい、宮本賢一郎執行役員は「ローカライズの追求が成長の要因」と手応えを見せた。今秋にも持ち株会社の上場が予定されているが、「日常消費全体のさまざまなシーンで予約できる環境を提供し、ステークホルダーの期待に応えたい」（宮本氏）と話した。　一方、国内宿泊市場では、ヤフーの直販事業参入と販売手数料無料化が注目の的になっている。これについて楽天の山本考伸執行役員トラベル事業長は、「ハイタッチなコンサルティングの対価として手数料を徴収している。ゼロとはいえないが、無料が脅威にはならない」とした。i.JTBの今井社長も「高稼働が続くなか、ホテル側は収益を上げることを求めている。それを手伝えるのであれば、無料は怖くない」と話した。　企業のトラベルマネジャーや業務渡航を扱う旅行会社の経営層が集まる組織、ACTE（Association of CorporateTravel Executives）は5月14日、業務渡航関連の最新動向についてフォーラムを開催した。これまで日本ではミーティングなどが行われることがあったが、正式にメンバーを集めてフォーラムを行うのは初めて。　米国に本拠を置くACTE は、企業の出張関連ビジネスにおける新しい視点や動向、最新技術を使ったサービス等について情報交換や会員のキャリアアップを目的とし、活動をグローバルに拡大している。特に近年、企業のコスト意識が強まっていることを背景に、日系企業や業務渡航系旅行会社から最新の動向について高い関心が寄せられている。それを受ける形で、フォーラムでは世界経済の動向やサプライヤーとの契約見直し、出張旅費の削減効果などをテーマに、識者やシステムプロバイダーらが講演した。　日本の会員数は現在、個人を含む60人。ACTE のカート・ナッフシュテット会長は、「世界的に企業のコスト圧縮意識が強まっている。日本の企業も最新情報を交換し、ビジネスに活用してほしい」と述べ、参画を呼びかけた。　WITジャパンはオンライン旅行関連事業を手がけるスタートアップ企業のコンペティションを行い、韓国のマイリアルトリップ（myRealTrip）が優勝した。写真は記念品を受け取る同社の共同創業者。　マイリアルトリップは、地元ガイドと旅行者をマッチングするサービス。現地に暮らす一般人がガイドとなり、自分の作成したツアーをサイトに掲載すると、消費者が気に入ったツアーを購入する仕組み。旅行者とガイドの間には本来、複数の仲介者がいるが、旅行のビジネスモデルを変える試みが評価された。　このほか最終選考には、通訳案内士と訪日外国人観光客をつなぐ観光プラットフォーム「トリプルライト」や、間際ホテル予約サイト「デイリーホテル」など、6社のサービスが選ばれた。　JTB の常務取締役に6月30日付で大谷恭久取締役が昇任する。同日に開かれる定時株主総会・取締役会で正式決定する。新たな取締役には、執行役員で事業会社社長を務める今井敏行i.JTB代表取締役社長と皆見薫JTBコーポレートセールス社長のほか、グループ本社執行役員の細野顕宏氏、金子和彦氏、黒澤信也氏の計5人が就任する。　日比野健代表取締役専務と川村益之常務取締役は退任し、日比野氏はJTB総合研究所代表取締役社長に専念し、川村氏は6月27日付でJ＆J事業創造代表取締役社長に就く。国内外のOTAトップが議論WITジャパン、約380人が来場ACTE、東京で初のフォーラム業務渡航分野の最新動向を発信韓マイリアルトリップが優勝WITスタートアップ企業コンペJTB常務取締役に大谷氏新任の取締役には今井氏ら5人