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概要

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vol.vol.中西克吉 著116 TRAVEL JOURNAL 2014.6.16 羽田/福岡線から導入が始まったJLの新仕様機(B777-200型)。前方は「クラスJ」、後方は普通席。どちらもシートは本革だ写真:中西克吉 連続テレビ小説『花子とアン』大人気で、甲府出身として何だかうれしい。戦時中、灯火管制の中『赤毛のアン』を訳し続けた村岡花子。乙女チックの極みのような内容を考えるとその気迫に茫然となるが、当時の日本にはそんなガッツあふれる女性が大勢いたのだ。 今回ご紹介するのはそんな一人、漫画家の上田としこの青春を『JIN―仁―』の村上もとかが描いたコミックである。満州を舞台におてんばな中国娘が大活躍する『フイチンさん』が代表作の上田としこは、長谷川町子と並ぶ女流漫画家のパイオニア。おっちょこちょいで勝気で利発なとしこの姿はフイチンさんそのままで、物語は彼女が育行時間が短い国内線。長距離国際線ほど座り心地は気にならず、「スケジュールや定時性、マイルが付くかどうかが大事」といった声も聞く。 だが、国内線のサービスは転機を迎えている。仕掛け役のひとつは、日本航空(JL)が5月28日から順次導入を始めた「JAL SKY NEXT」。「ひとつ先のスタンダード」をテーマに掲げる。 JL は今回の刷新で、従来のファーストクラスに加えて、普通席とひとつ上の「クラスJ」のシートにも本革を採用した。皮製シートはLCC に多いが、通常LCCは合成皮革。JLは高級車などに使うオーストリア製の高品質の本革である。加えて、シート自体のスリム化とシート形状の工夫により、膝まわりの空間を最大約5㎝拡大し、シートピッチは31インチに。国内線では特別広いわけではないが、スリム化および本革のなめらかさと深いホールド感の相乗効果により、座り心地はよい。った満州・ハルピンと漫画家修業をする戦時下の東京を舞台に描かれる。 おしゃれで素敵なものが大好きなとしこにとっては、パーマネントも許されない戦時中の暮らしは窮屈なことばかり。だがロマンチックな少女画で知られる中原淳一が『少女の友』を降板させられるなど、漫画の世界にも徐々に戦争の気配が忍び寄る。漫画は現在2巻まで出ており、ようやくデビューにこぎつけたとしこが、いかに道を切り拓いていくかが今後の読みどころだ。 先日、漫画『三月のライオン』で手塚治虫漫画賞を受賞した羽海野チカさんがツイッターで「戦っているひとにもリボンは必要だ/リボンのような気持ちというか」とつぶやいていて大共感。しんどいときこそ少女の心にリボンが必要なことを知っていた花子やとしこが、つらい時代に少女たちの心を守ってくれたのだと思う。 なーんて語ってみたりもしたけれど、旅好きとしては、特に満州の風景や風俗がたまりません。今も残るレトロな建物がたくさん登場して、眺めていると訪ね歩いてみたくなる。これからの展開が楽しみな作品だ。(編集者・ひとり旅活性化委員会主宰) 客室の照明はすべてLED だ。昼間は青、春はピンクというように時間や季節に応じて12色に変化し、機内を彩る。さらに7月下旬から順次、国内線初の有料の機内Wi-Fi サービスが始まる。JL のこれらの新サービスは、小型機を含む全77機に、2016年度上半期中に導入を完了する予定だ。 従来の普通席は、大手とLCC でシートピッチが違う程度で、大きな差はなかった。だが最近は、スカイマーク(BC)が普通席ながら全席上級クラス仕様のエアバスA330型を導入。全日空(NH)は独レカロ社製の最新型スリムシートの採用を拡大するなど、サービス改善と差別化の動きが目立つ。 人口は減少傾向にあり、新幹線との競争も激化する国内市場。勝ち残りを目指す各社が、サービス競争を加速させている印象だ。乗客にとって選択肢が広がるという点でよいことだろう。(旅行ライター)フイチン再見!村上もとか著/小学館ビッグ コミックス/552円+税道拓く女性の心にときにリボンを285JAL国内線の新しいプロダクト99飛