ブックタイトルTJ180402

概要

TJ180402

TRAVEL JOURNAL 2018.4.2 9　フェイスブックは旅行の行き先を決めていない層に向けたリターゲティング広告「トリップ・コンシデレーション」を開発した。一例として、春休みにリゾートへの旅行を検討している大学生が具体的な行き先を決めていない場合などに、旅行関連事業者はこのリターゲティング広告を使って学生を割り出し、航空便やホテルの割引料金を提示して予約を促すことができる。フェイスブックやインスタグラムなどで利用が可能。同社によると、ミレニアル世代の68％が直近の旅行のアイデアをフェイスブックで、60％がインスタグラムを通じて得ている。　ニューヨーク市観光局は、トリップ・コンシデレーションを試行した最初のキャンペーン「トゥルー・ニューヨーク」で、ビデオ視聴が61％増、リンクのクリックが58％増となり、クリック1回当たりの費用対効果を引き上げた。フェイスブックを利用した最良の広告戦略と評しており、今後のキャンペーンにもこのリターゲット広告を使いたい意向を示している。（フォーカスワイヤー3月8日goo.gl/8BMrXv）　米ユニシスは、航空機の貨物室にいるペットと会話できるAI（人工知能）とアプリ「デジ・ペット」を開発した。ビデオ通話のフェイスタイムのように、キャリーケースに装着したセンサーでペットの状況をスマートフォンやその他の接続デバイスでモニターできる。異変が生じた場合は警告を発信する。　デジ・ペットは、ユニシスが手掛ける貨物航空会社用ソリューションの商品群の一つ。同ソリューションは、航空会社20社の年間18万匹の動物輸送に使われている。航空機によるペット輸送は増えており、カンタス航空は15年に取り扱いが20％も増加した。（TN3月5日 goo.gl/fw3gpQ）　法人旅行を専門とする米オメガ・ワールド・トラベル（OWT）は、アマゾンエコーを使った音声案内を開始する。エコーを使って出張者の安全管理業務をこなす機能を開発した。「アレクサ、オメガに聞いて」と肉声で呼びかけると、OWTの出張管理ダッシュボードを呼び出し、出張者の現在の居場所や旅程の詳細などを調べることができる。　OWT が開発した機能は、アマゾンの承認を経て、企業に月間1人当たり150ドルで販売する。OWTは旅行事業での音声デバイスの利用は無限と捉えており、将来は消費者向けやレジャー旅行会社向けの事業者間取引に用いる機能の開発を検討する。（フォーカスワイヤー3月8日 goo.gl/fmE2L8）　IT 市場調査会社の米ガートナーは、アマゾンエコーやグーグルホームなどの音声認識デバイスが21年に35億ドル市場になると予測した。グーグルでは、グーグルホームミニを昨年10月に出荷して以降、毎秒1個ペースで売れている。ただし、スマートスピーカー市場を席巻しているのはアマゾンで、音声認識AIのアレクサ搭載商品が76％のシェアを持つ。先の休暇シーズンでは数千万個のアレクサ搭載プロダクトが販売された。　旅行分野でも音声認識デバイスを用いたサービスが増え始めている。ロンドンとパリに拠点を持つ列車チケット販売の英トレインラインは、昨年11月にグーグルアシスタントを使った音声アプリを立ち上げた。これにより、ロンドンからマンチェスター行きの列車検索にかかる時間はわずか26秒。アプリが最も利用する場所を記憶するため、最寄り駅を自動的に探し出す。乗り換えやホーム番号、終電時間も案内する。　カヤックは16年5月にいち早く航空券とホテル、レンタカーの検索に初期のアマゾンアレクサ搭載商品を導入した。17年には「予約したフライトは定時出発か？」などと問い合わせることができ、ホテルの予約も可能となった。確定の回答はE メールで受け取れる。（フォーカスワイヤー3月5日 goo.gl/x3weVp）　アマデウスは、ユーザーがビデオ閲覧中に画面に映し出されるホテルやアトラクション、レストランをクリックすると詳細が表示される双方向ビデオを開発した。予約サイトに直接リンクも可能。視聴者の旅行意欲を増すと同時に、購入意欲も増加させる仕組みだ。　仕組みは簡単で、ウェブサイトやソーシャルメディアに組み込まれたビデオに「アマデウス・ビデオ・ソリューション」システムをアップロードすれば済む。開発責任者は、「休暇旅行を計画している人の3分の2がビデオを見ており、38以上のウェブサイトを検索していることから、思いついた」と語っている。企業のビデオの開発を支援するサービスも用意している。（フォーカスワイヤー3月6日 goo.gl/Houcgg）FB、潜在旅行者向け広告機能音声デバイス、35億ドル市場出張者の安全管理に音声AIユニシス、ペット旅行支援アマデウスが双方向ビデオ日本に先んじてさまざまな動きが生じている海外の旅行業界の注目の話題を米旅行専門誌「Tニュース（TN）」「トラベルウィークリー（TW）」などから抜粋してお届けします。FROM THE WORLD海外事情文／フォーカスライトジャパン