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概要

TJ180402

TRAVEL JOURNAL 2018.4.2 29COLUMNciStockphoto.com/tanatat ciStockphoto.com/liangpv (次回は4月30日号に掲載します)日本企業ならではの工場見学970年代の名曲に歌われた、高速道路沿いのビール工場。その一般向け工場見学に参加してみた。見学コースは何種類かあり、週末は1日に10ツアーもある。そのため予約は電話よりもネットの方が日時を選びやすい。操作はわかりやすく簡単だが、英語サイトがないのが残念だ。 工場までは最寄り駅からシャトルバスが出ている。乗り場では運転士が乗降ドアの外で丁寧に出迎える。10分弱で工場に到着。ゲートを入ったところにスタッフが2人ほど立ち、お辞儀をしながら敷地内に入っていくバスを出迎える。こういうきめ細かさが日本の企業らしい。 見学受付がある建物にバスが止まると、案内スタッフが車内に乗り込んで受付手順を簡潔に説明、だがウェルカム感は満載だ。建物に入ると左側が土産店、右側が受付でスタッフが3人おり、2人は予約者、1人は非予約者の対応となる。スムーズかつ丁寧で、5分ほどで約40人全員の受付が済む。ツアー開始まで10分ほどあり、余裕をもって手洗いや喫煙を済ますことができる。ロビーには腰掛けソファー、無料ロッカー、冷水機が設置され、救護施設もある。大きな荷物は受付に預けられる。 見学開始のアナウンスで集合。まずは50席ほどのテーブルが並ぶレクチャールームに移動して、お茶を飲みながらミニ講座を受ける。一般的なビールの製造方法ではなく、代表銘柄について説明が20分ほどにまとめられており飽きることがない。そしてつい、「今度、店でこのビールを飲もう」と思ってしまう。 続いて工場見学へ。40人もいると隊列が長くなりがちだが、先導する案内スタッフの他に後方にもスタッフがおり、はぐれたり説明が聞けなかったりしないようにサポートしている。見学は実際に稼働している設備や装置が中心でリアリティーがある。解説ビデオを流す箇所もあるのだが、投影方法が工夫されていて、見学者の意表を突きながらも大変わかりやすくできている。 最後はレクチャールームに戻り試飲。専任のスタッフが注ぎたての生ビールを手際よく見学者に渡していく。試飲タイムは30分だが、つまみ付きで3杯飲むことができ十分。希望者はサーバーからビールを注ぐ手ほどきを受けることもできる。飲食店のようなリラックスした雰囲気なので、スタッフに質問しやすいのもグッド。 帰りのバスまでは20分ほどの待ち時間で、土産を物色するのに程よい長さ。オリジナルグッズが中心で価格帯も手頃ではあるが、工場直送ビール以外はあまり売れていなかった。 通年で相当数のツアーを行っているにもかかわらず、どのスタッフにもダレた様子が全く感じられなく素晴らしい。見学コースは当然ピカピカ、さらに防災用の折り畳み式ヘルメットが各所に設置してあるところもサスガ。日本人が心地よく楽しめるのはもちろん、外国人観光客にとっては日本企業ならではのこのスマート&ホスピタリティーが印象的な体験になるはずだ。くろす・やすふみ●中小企業診断士。好奇心旺盛で旅好きな経営コンサルタント。さまざまな業種業態の経営支援に携わり、現場中心のアプローチに定評がある。1黒須靖史のミステリーショッパー文・黒須靖史 (ステージアップ代表取締役)case13総合評価ExcellentGoodVe r y G o o dAver ag ePo or