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概要

TJ180402

スポーツツーリズムで旅行需要を創出するには旅行業はスポーツを通じどのように価値を創造できるのか。JATA(日本旅行業協会)が2月26日に開いた経営フォーラムで、日本スポーツツーリズム推進機構(JSTA)の原田宗彦代表理事が、先進事例とともにブルーオーシャン戦略の手がかりを語った。原田宗彦氏日本スポーツツーリズム推進機構代表理事 高知県と徳島県には吉野川が流れています。昔は材木を運搬したり洗濯などに利用していた普通の川なのですが、現在、17のリバーラフティング業者がビジネスを展開しています。都市部から多くの観光客が訪れ、地元に泊まって食事して、お土産を買って帰っていくというような好循環が生まれています。徳島県三好市は昨年10月、世界ラフティング選手権の大会誘致に成功し、約1000人の外国人選手や役員が訪れました。今後、参加者がリピーターとして再訪し、三好市の知名度が上がるといったことも期待できます。 スポーツツーリズムは、先ほどのリバーラフティングのように、スポーツで人を動かす仕組みづくりを意味します。域外から人を呼び込むことで、交流や経済活動を活発化させることができます。そのような仕組みづくりを稼働させるには、自治体がスポーツ施設の整備やスポーツイベントの誘致・開催を行い、域外ビジターを増加させることによって地域に消費を呼び込み、最終的に地域の収入や雇用を増やすといった一連の流れが必要となります。イベント開催、合宿・大会誘致が主眼になりますが、この部分が旅行業にとってチャンスとなると考えられます。 スポーツツーリズムといっても多様な形態があり、たとえば「する」「見る」「支える」スポーツがあります。「するスポーツ」でいえば、たとえば熊野本宮(和歌山)に参拝したついでに熊野古道を歩くことや、温泉街の景色を楽しみながら散歩する「健康に留意したアクティブな観光行動」があり、これをアクティブツーリズムと呼びます。また対極にあるのが、アクションツーリズムです。スケートボードやスノーボードなど、速さや高さ、危険さ、華麗さを競うリスクを含んだ、主に若者向けのスポーツがこれにあたります。 スポーツツーリズムの裾野が広がるなか、関連産業は多く存在します。交通機関、宿泊施設、小売業も関わりますし、旅行ガイドも含めて多様な人材を育成する必要が出てきました。訪日外国人が増えてくれば、さらにプロフェッショナルな人材が必要になってきます。 人を動かす仕組みづくりのなかで肝となるのは、動かす理由をいかにつくるか、ということです。Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)のサンフレッチェ広島と北海道コンサドーレ札幌との試合が2月24日構成/團祥太郎TRAVEL JOURNAL 2018.4.2 26 誌上採録