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概要

TJ180402

沖縄ハワイ海外客の割合1人当たり消費額平均滞在日数国内リピーター率MICEの海外客比率●主な観光指標比較※海外客の割合は17年実績、その他は16年実績7万5763円84.8%6.5%27%71.0%37.0%38%8.98日1767.7ドル(約18万5000円)ハワイを訪れた旅行者の消費額は159億1120万ドルで日本円に換算すると約1兆6700億円となる。観光収入と旅行消費額は厳密には同じではないが、それでもハワイは沖縄よりはるかに大きな収益を旅行者から得ていることがわかる。 1人当たりで見ると、違いがよりはっきりする。沖縄を訪れる旅行者1人が1回の沖縄旅行で消費する金額は7万5763円だが、ハワイは1767.7ドルで、日本円で18万5000円以上となっている。単純比較では2.4倍の開きがある。 沖縄(16年861万人)もハワイ(16年893万人)も旅行者数自体はそれほど違わないのに、観光収入全体の規模も1人当たり消費額もこれだけ差がつくのは、滞在日数の違いによるものだ。沖縄の国内客の平均泊数は3.78泊(16年度)、海外客は3.71泊(16年度・空路客)で、いずれも4泊に満たない。これに対してハワイは平均滞在日数が8.98日。ハワイを訪れる旅行者は、訪沖縄旅行者より2倍以上の時間をかけて滞在を楽しんでいることになる。 沖縄は平均泊数を伸ばすことができれば、それに伴う観光収入の拡大を見込めるはずだ。1人当たりの消費額の内訳を見ると、沖縄(16年度)は宿泊費30.2%、飲食費22.2%、土産・買い物費21.8%、交通費13.7%、娯楽・入場費8.9%などとなっている。ハワイ(16年)は宿泊費42.3%、飲食費20.6%、土産・買い物費14.1%、交通費9.7%、娯楽費8.9%。項目別の順位は同じだが、やはり滞在日数の長いハワイの方が宿泊費の占める割合が10ポイント以上高いのが注目される。 これに対して土産・買い物費や交通費の割合は沖縄の方が大きい。土産・買い物費は、沖縄はショッピング好きな東アジアからの旅行者比率が高いことが影響していると思われる。また交通費は、公共交通が手薄とされる沖縄の事情が反映されたものと考えらえる。 リピーターと初心者の割合は比較的似ていると見られる。ハワイのリピーター率(16年)は65.5%で、平均旅行回数も5.1回となっており、典型的なリピーター主導型デスティネーションである。特に国内客のリピーター率は71.0%に達している。沖縄も国内客のリピート率は84.8%とハワイ以上に高い。海外客のリピート率に関する統計がないため市場全体での比較はできないが、沖縄もまたリピーター主導型であることは間違いない。固定客をしっかりとつかんでいることの証しでもあるが、逆に言えば市場の新陳代謝が滞りがちで、初心者の取り込み努力を怠ると減少傾向に歯止めがかからなくなる危険と背中合わせともいえる。 沖縄とハワイがともに今後の観光振興の起爆剤として期待しているのがMICE だ。一般旅行客より1人当たりの観光収入が大きく、沖縄の観光収入増大にも貢献してくれるものと期待がかかる。 ハワイは16年のMICE旅行者が48万5194人で全体の5.4%を占めた。沖縄はMICE旅行者数の統計はないが、参加者数の統計によると、企業ミーティング、インセンティブ旅行、コンベンション、展示会・イベントの参加者総数は43万7312人で、同年の旅行者数と単純比較すると5.1%に相当しており、ハワイとほぼ同じ割合だ。しかし、ハワイのMICE統計には教育旅行者も含まれており、16年に沖縄を訪れた修学旅行生数44万2113人を加えると2倍の約88万人に達し、ハワイを大きく上回る。 一方、MICE 全体に占める海外客の比率はハワイが37.0%であるのに対し、沖縄は6.5%にすぎない。沖縄のMICE をさらに拡大するには、海外客の呼び込みを強化する必要がありそうだ。国際MICE の誘致が鍵国内客3.78泊海外客3.71泊TRAVEL JOURNAL 2018.4.2 13