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概要

PUG_200406

上/オアフ島の北東部に位置するクアロア・ランチ ?Daeja Faris下/海洋生物の研究と保護活動を行っているシーライフ・パーク上/マウイ・オーシャン・センター?Tommy Lundberg左/ハワイ島北西部に位置するコハラ・インスティテュート 国連サミットでSDGs(SustainableDevelopment Goals)が採択されたのは15年。しかし、ハワイでは、1970年代から自然環境や文化遺産を保護する概念が生まれており、採択の1年前にはハワイ州独自の目標として「アロハプラスチャレンジ」を定めた。 これに連動し、ハワイ州観光局でも持続可能な観光のために「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」を推進。旅行者に海洋生物や固有種の保護、マイボトルやマイバッグの利用等を積極的に呼び掛けている。 定番の観光施設でSDGs の意識を高めるのもいいだろう。オアフ島ならシーライフ・パーク・ハワイがその一例だ。海洋生物と触れ合えるテーマパークとして知られているが、ここでは貴重な固有種であるアオウミガメ1万6000匹を孵化させていることでも有名。そのほか、絶滅危惧種や海上漂流物がもたらす海洋環境への影響の研究など専門的な環境保護活動を行っており、教育プログラムに参加すれば、これらを深く知ることができる。 島の北東部に位置するクアロア・ランチも同様だ。さまざまなアクティビティーを通して大自然を体験できる人気スポットだが、同時に約500万坪という広大な敷地の自然とその生態系を保護してきた。廃棄物や温室効果ガスの削減、エネルギーや食糧生産の自給率増加などに積極的で、ここでも教育プログラムの充実に力を入れている。 マウイ島では西部のマアラエア湾に面して建つ州最大の水族館、マウイ・オーシャン・センターが興味深い。全長16.5mのトンネルでサメやマンタレイなどを間近で見ることができるアトラクションが人気だが、非営利組織が海洋生物の保護活動に力を入れている。ウミガメを保護して放流したり、希少な珊瑚を培養して海へ移植放流するなど海の環境保護に尽力している。 ハワイ島のコハラ・インスティテュートは、島の北西部に約2400エーカーの土地を管理している組織。ここでは自然保護にとどまらず、ユニバーサルな価値観やアロハスピリットを通して協調性を培うユニークな学習プログラムを提供している。具体的には改装を施した1874年建設のコハラ女学校で青少年グループの研修やリトリート、ワークショップの実施が可能。日本語のガイドやツアーも手配することができる。 また、カウアイ島ではマカウワヒ洞窟の保護区で植樹活動が盛ん。絶滅危機にある動植物の生息地保護を目的に、ハワイやポリネシアの在来種1万株の植樹を行っている。植林ツアーもある。ハワイの新たな一面キーワードはSDGs定番観光地に学び大自然に点在するスポット世界で持続可能な開発目標(SDGs)を念頭に置いた取り組みが加速している。“サステイナブル”を意識すると、これまで訪れていたハワイの景色も違って見えてくる。ラグジュアリー層やハードリピーター向けにSDGs に取り組む観光スポットを紹介しよう。カウアイ島オアフ島マウイ島ハワイ島写真提供/ HTAパワーアップガイド 2020 夏 5