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概要

PUG181105

いろいろなお客さまが来店する旅行会社のカウンター。次のクルーズ販売につながる対応の仕方は? カモメ先生が回答します。旅慣れたシニアのお客さまには、やはり高級なクルーズ客船を勧めるべき?客船はこれまでサービス内容や価格帯によって、カジュアル(MSCクルーズやコスタクルーズなど)、プレミアム(プリンセス・クルーズやドリームクルーズなど)、ラグジュアリー(キュナード・ラインなど)の3つに分類されてきた。基本的にクラスが上がるにつれ、船内はアクティブでにぎやかな雰囲気から静かで落ち着いた雰囲気になる。 しかし最近では、MSC クルーズの「ヨットクラブ」のように、専用レストランやラウンジ、バトラーサービスなどを設け、ワンランク上のサービスを提供するカテゴリーを持つ客船が登場し、従来のカテゴリー分けが通じなくなっている。 また、ラグジュアリーの客船で中間グレードの客室を予約するなら、同じぐらいの金額でプレミアムのスイートを予約できることもある。客室の広さやアクティブな雰囲気を重視してプレミアムの客船を選ぶのか、落ち着いた雰囲気やサービスを重視してラグジュアリーを選ぶのか、きちんと売り手が理解し、説明したいところだ。主に米国で発展してきたクルーズは、バリアフリーへの対応がしっかりと行われている。車いすでも使える客室やダイニングはもちろん、船内の通路の幅も車いす対応。通路や階段だけでなく、エレベーターにも手すりが設けられているため、足腰の弱ったシニア層も安心して乗船できる。シアターなどでは車いす用スペースも用意されている。クルーズターミナル内のトイレや乗下船口も対応済みだ。 ただ、気をつけておきたい点もある。たとえばコース途中の寄港地では時折、港が浅い、岸壁が小さいなどの理由により、客船が岸壁に着けずに港の沖に停泊(沖止め)する場合があるのだ。その場合、小型の通船で港との間を行き来することになり、スタッフが安全に留意して対応してくれるものの、通船への乗り降りに多少の不安を感じるお客さまがいるかもしれない。コース内容を把握し、きちんと説明できるようにしておこう。クルーズは費用対効果が高い旅行商品だと理解してもらえたが、言葉やチップなどの不安を解消するには?クルーズがまったく初めてのお客さまや2回目だけど以前とは異なる船会社の客船に乗ろうとしているお客さまなどは、大なり小なり不安を感じている場合が多い。ぜひ話を聞いて、不安や疑問を取り除くようにしたい。 言葉に不安があるようなら、日本語の話せるスタッフや日本人コーディネーターが乗船している客船を勧めたい。日本人にも人気の高い船会社なら、お勧めコースにそうしたスタッフを乗船させている場合が多い。ただ、クルーズ客船のスタッフは、乗客に楽しんでもらおう、くつろいでもらおうというホスピタリティー精神が旺盛だ。気負わずに参加するよう助言したい。 また、お客さまが海外旅行の経験者なら、客船は基本的に外国のホテルやレストランと同じだと説明してはどうだろうか。定められた割合のチップを払うなど、難しく考える必要はない。キュナードは先ごろ、20年にチップなしの日本発着クルーズを行うと発表しており、こうしたクルーズを勧めるのがいいだろう。客船会社によっては6割以上がリピーターになっており、リピーター割引を用意しているところも多い。たとえば、プリンセス・クルーズの「キャプテンズ・サークル」は、乗船日数や回数などによって特典が受けられる。コスタクルーズにはリピーター割引があり、次のクルーズ代金から一定額を割り引く。また早期予約割引を用意しているところも多い。 一方、別の船会社を勧め、各社ごとの個性を感じ、乗り比べを楽しんでもらうというのも手だ。同じ船会社の客船に乗るなら、前回とは違うコースや季節を勧め、逆に別の船会社の客船に乗るなら同じコースや季節を勧めるのだ。 日数はワンナイトから100泊以上まで、コースはリバーや南極などの秘境まで、多種多様な選択肢、そして楽しみを体験できるのがクルーズ旅行だ。クルーズを初めて経験して大満足のお客さま。次にお勧めするクルーズは?車いすで来店されたお客さま。クルーズは安心して勧められる?6