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概要

PUG181105

 市場の成長に伴い、客船会社は初心者対象のサービスや市場開拓の取り組みを進めている。 外国客船による日本発着クルーズの火付け役ともいえるプリンセス・クルーズは、ダイヤモンド・プリンセスの船内に大型展望風呂や寿司レストランなどを設けている。日本語メニューなどを用意したほか、日本語が話せるスタッフ約100人を配置し、初心者でも安心してクルーズが楽しめるように気を配った。キュナードは20年秋のクイーン・エリザベスによる日本発着クルーズで、煩わしさから解放することを目的にチップなしの制度を導入する。 「クルーズは高い」という先入観を払拭するため、コスタクルーズは日本発着で同室の13歳未満の子供2人の代金を無料にしてファミリー層に訴求しているほか、満足できなかった場合は代金を全額返金する満足保証キャンペーンを用意する。 新造船が続々と就航するのに伴い、船内施設が進化し、幅広い客層が乗りやすい環境も整ってきた。MSC クルーズは地中海クルーズに投入する新造船のMSC ベリッシマで最大10人まで利用できるコネクティング・キャビンを用意。3世代はもちろん、職場や学生のグループ旅行にも提案できる。 「クルーズは堅苦しい」というイメージに対しては、スタークルーズは昨年、吉本興業の芸人による船内ショー「ヴァーゴ・ザ・よしもと@ クルーズ」を実施し、親しみやすさとカジュアル感の醸成に努めた。 日本のクルーズ市場は成長の機が熟し、海外の客船会社も注力するようになった。とはいえ、これまでクルーズを販売したことがなかったり、販売例が少ない旅行会社にとっては、まだまだ本気で取り組むべき商材として見えてこないかもしれない。しかし、クルーズは収益や集客などさまざまな面でメリットの大きい有望商材といえる。 魅力の1つはまず高収益が上げられる点にある。直販の拡大を背景に国際航空券の販売はすでにゼロコミッションで、最近では、ホテルも一部で手数料を廃止する動きが広がっている。しかし、クルーズは旅行会社を通じた販売率が全世界平均で70%と流通依存度が高く、それゆえコミッションも支払われている。しかも、航空券やホテルに比べて単価が高いため、おのずと手数料収入は他の商材に比べて高くなることは言わずもがなだ。 次にクルーズはリピート商品という点。客船会社ではリピート率が6割を超すケースもあり、しっかりとコンサルティングして顧客の信頼を獲得できれば、一生涯の顧客を囲い込める可能性もある。 さらにクルーズの魅力は、多種多様で広がりのある商材で、大洋を航行するだけでなく、南極や北極、アマゾン川上流などを訪れるアドベンチャークルーズ、大河や運河を伝って内陸部を行き来するリバークルーズなどがある。また客船も乗客定員が100人以下の小型船から、5000人を超える20万トン級まで千差万別。クルーズ日数も、ワンナイトから100日を超えるものまで、実にさまざまだ。Reason2 船社で広がる提案収益増に貢献Reason3資料:国土交通省、日本外航客船協会(年度)(人)13 14 15 16 1740000600070005000 47685437600266537381●日本人の泊数の割合 ●クルーズ・コンサルタント合格者数5~7泊44.6%8~13泊23.5%1泊 14.0%3~4泊13.9%14泊~2.9%2泊1.2%5