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概要

PUG181105

初心者を開拓する  つの理由 日本人のクルーズ人口は17年に前年比27%増という急激な成長を記録した。総数も過去最高の31万5000人で前年に比べ6万7000人増加し、初の30万人台を突破した。この大幅な伸びは、海外の客船会社による日本発着クルーズの増加が主な理由だが、いくら販売可能な客室数が増えたとしても、肝心の商品自体に魅力がなければ売れることはない。日本でクルーズという旅行形態が広く認知された結果だといえる。 この伸びはこれからも続くと予想される。世界に目を向けると、クルーズ運航会社でつくる国際的な団体「クルーズ船社国際協会(CLIA)」は17年の世界のクルーズ人口を2606万人と公表しており、同年だけで19隻もの新造船が就航している。またアジアに注目すると、17年は前年比20.6%増の約405万人がクルーズを楽しんだという。 このように成長著しいアジアには、当然のことながら多種多様なクルーズ客船が数多く配船される。日本に寄港する客船や日本発着クルーズを行う客船も増えるため、クルーズへの注目度が高まると同時に、旅行会社はより多くのクルーズ商品を販売できるようになる。また、日本寄港・発着クルーズをきっかけに客船各社が世界各地で運航するバラエティー豊かなクルーズを知り、海外旅行の新たな選択肢になる相乗効果も期待できる。 そもそも世界中でクルーズ旅行が伸びている理由は、支払った代金以上の満足度が得られるからにほかならない。移動にかかる費用はもちろん、食事、宿泊、エンターテイメントがすべて含まれている。そのことに多くの旅行者が気付き始め、さらには供給増も手伝って自分のスタイルに合ったクルーズが選びやすくなっているという好環境がある。 日本は30万人台に突入したとはいえ、17年の海外旅行者1789万人と比べても、まだまだ小さいマーケットでしかない。言い換えれば、とても大きな伸びしろがあるということだ。その伸びしろ=クルーズ初心者を狙った事業展開が売り上げ増の鍵を握っている。盛り上がる機運Reason1数字で見るクルーズ市場(年)(万人)12 13 14 15 16 17020253021.723.8 23.122.124.831.5●日本人のクルーズ人口(年)(回)12 13 14 15 16 1701000200030001105 10011204145420172764●日本へのクルーズ寄港回数3?iStock.com/Kritchanut4