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概要

PUG181105

大手旅行会社の販売動向をクルーズ商品の取り扱いに力を入れる旅行会社は徐々に増えてきている。その中でも、大手旅行会社の売れ筋商品や販売強化商品には、需要獲得に向けた各社の取り組みが反映されている。 各社の売れ筋を見ると、手軽さや割安感を訴求し、まずはクルーズ未経験の初心者やクルーズファンを取り込もうという意図があるようだ。 海外の港を発着するフライ&クルーズの中でも気軽に参加できる近場をクルーズデビューに勧めるのは日本旅行。「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ シンガポール航空で行く!太平洋とインド洋を結ぶマラッカ海峡とマレーシア・プーケット島の旅6日」が売れ筋の1つで、日本語コーディネーターが乗船する安心感を打ち出した。日本からフライトが豊富で行きやすい点も後押ししてか、現役世代にもアプローチできているという。 日本発着クルーズをメインに取り扱うエイチ・アイ・エス(HIS)は、自社専用のコーディネーターを乗船させたり、早期予約特典として、有料レストランへの招待など独自のサービスでお得感と安心感につなげる取り組みを行っている。19年4月27日出発の「ダイヤモンド・プリンセス ゴールデンウィーク ショートクルーズ!長崎と韓国6日間」では、そうした施策が功を奏し、早期の予約につながっている。 近畿日本ツーリスト個人旅行(KNT 個人旅行)は、ハネムーンや記念旅行などでの販売が好調だ。レストランの座席指定やドレスコードが少なく、スペイン、イタリア、フランスといった人気デスティネーションを効率良く巡れるノルウェージャン・エピック利用の「地中海・大満喫クルーズ10日間」は代表格。初心者が肩肘を張らずに過ごせる点がポイントとなっている。 JTB は、ボリューム層であるシニア層のなかでも初心者への開拓を目指す。その一環として打ち出したのが、自社単独チャーターの「サン・プリンセス世界一周クルーズ98日間(19年4月出航)」。早期割引なら208万円という料金設定で、高額というイメージがあるクルーズの既成概念の払拭にもつなげる。 一方、販売強化商品では、目的エリアを効率よく周遊するコース設定や費用対効果の高さなどクルーズ本来の特長を生かしつつ、自社オリジナルの行程など付加価値を加えた。各社とも共通してフライ&クルーズを押しており、新たな魅力発信に知恵を絞っている。 JTB はハワイの離島を効率よく移動の手間なく巡る商品として、「プライド・オブ・アメリカで航くハワイ4島周遊クルーズ10日間」の販売を強化中。もともと日本人の人気が高いハワイで新たな楽しみ方を提供する試みでもある。オプションでホノルルでの滞在も用意している。 KNT 個人旅行はハネムーナーなどテーマ性の強い旅行者への訴求を引き続き行っていく。「ハーモニー・オブ・ザ・シーズで行くカリブ海クルーズとカンクンの休日10日間」は催行人数は2人からとなっており、トゥルム遺跡観光やカンクンでの後泊を加えた。 日本発着をメインに扱ってきたHIS は今年からフライ&クルーズに本格参戦。手始めとして、距離と価格の両面で手軽さが打ち出せるアジア発着クルーズに重きを置いた。主にボイジャー・オブ・ザ・シーズの「アジア3カ国周遊クルーズ6日間」の販売に力を入れている。 近場のフライ&クルーズが売れ筋の日本旅行が一歩進んで提案するのは、タヒチの島々を優雅に周遊する「ポール・ゴーギャン号で巡るソシエテ諸島周遊の旅10・11日」。同社は昨年初めて、「極みの旅」シリーズにクルーズを加えた。全室オーシャンビューの小型ラグジュアリー船を打ち出し、2人からの催行で出発日確約の安心感を訴求している。フライ&クルーズ強化の傾向JTBは格安の世界一周クルーズでシニアの初心者に訴求KNTはハネムーンや記念旅行での販売が好調HISは今年からフライ&クルーズに本格参戦日本旅行はフライ&クルーズでも参加しやすい旅を提案10