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概要

GPR1908

社長就任のご挨拶田村明比古●1955年生まれ。東京都出身。80年東京大学法学部卒業後、運輸省入省。在アメリカ合衆国日本大使館参事官、国土交通省大臣官房審議官、鉄道局次長、航空局長などを経て、15年観光庁長官に就任。2019年6月25日より現職。 このたび、成田国際空港株式会社の代表取締役社長に就任いたしました田村明比古でございます。 今後、成田空港をさらに発展させていくよう努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 世界及び我が国の航空需要は、質量ともに大きく変化してきましたが、開港以来、成田空港は我が国の表玄関として機能し続けてきました。そして将来に向けても首都圏及び我が国の国際競争力強化や観光立国を実現するために大きな役割を担うことが期待されています。 近年は空港間競争の激化に加え、世界的なLCCの成長による機材の小型化や、航続距離の長い航空機の開発により、成田空港の航空ネットワークはもとより、航空系収入に大きな影響が生じてくることが想定されます。 今後、成田空港がグローバルな空港間競争の中で勝ち残り、引き続き我が国の表玄関として発展していくためには、ハード、ソフト両面において着実かつ積極的に様々な施策を行っていく必要があります。 最優先課題は、「成田空港の更なる機能強化」の推進です。昨年3月、「成田空港に関する四者協議会」において「更なる機能強化」が合意されたこと、また、本年2月には、2019年冬ダイヤからA滑走路の夜間飛行制限を変更することが確認されたことは、非常に意義深いものと考えています。今後、周辺自治体や地域の皆様をはじめとした関係者の方々との信頼関係をさらに深め、空港と地域の共生・共栄策を進めながら、「更なる機能強化」を着実に推進してまいります。 また、空港の運営にあたっては、「安全」がすべての基本であることは言うまでもありません。間もなくラグビーワールドカップ日本大会が開催され、さらに10月の即位の礼、また来年には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会等が控えており、何よりも空港の安全、安定運用が高いレベルで求められます。自然災害やサイバーテロなどに対する危機管理も含め、安全対策の充実・徹底を図ってまいります。 しかしながら、「更なる機能強化」や、安全対策の充実は、世界の空港間競争に参加するための必要最低限の条件に過ぎません。競争は、その空港が多様なお客さまに対して、どれだけ質の高いサービス、体験、価値を提供できるかをめぐって行われています。 お客さまの利便性や快適性を向上し、世界最高水準の旅客体験価値を提供するため、デジタル化や最先端技術の活用によるイノベーションを推進し、スマートオペレーション、スマートエアポートを実現してまいります。 また、成田空港をすべてのお客さまがわざわざ訪れてみたい、使ってみたい魅力ある空港とするために、引き続きリテール事業に積極的に取り組むとともに、エンターテイメントやアメニティ・サービスの拡充等も、創意工夫を凝らして進めてまいります。 そして、成田空港が抱える大きな課題の一つであるアクセスの利便性向上についても、早朝・深夜時間帯のアクセス確保も含め、関係者と知恵を出し合いながら、積極的に取り組んでまいります。 さらに、世界の航空業界は地球環境問題に対する一層責任ある対応を求められるようになっており、成田空港も多様なステークホルダーとともにエコ・エアポート推進の取り組みを加速してまいります。 今後、成田空港がすべての面で世界最高水準を実現するとともに、それを維持していけるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。成田国際空港株式会社代表取締役社長2 Aug. 2019