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概要

GPR1906

1 23成田国際空港株式会社広報部No.191 隔月刊『GREEN PORT REPORT』 〒282-8601 成田市成田国際空港内NAAビル FAX?0476-34-5030 Mail?kouhou@naa.jp URL?https://www.naa.jp/前まえ田だ 崇たか宏ひろさん一般財団法人 成田国際空港振興協会環境技術部大気・水質課長空港を支えるTalentプロフェッショナルPerson of空港周辺地域の大気質・水質を監視1 大気質常時測定局を巡回して機器の点検整備も 2 NAA 本社ビル内の環境監視室で各種データをチェック 3 データの正しい見極めが重要なポイント境に優しい空港を目指して、成田空港は周辺環境に及ぼす影響を最小限にするため、さまざまな取り組みを行っている。前田さんが担当している空港周辺の大気質と水質の常時監視も、その重要な任務の一環である。 空港内外には大気質6カ所、水質3カ所の常時測定局があり、そこから送られてくるデータの分析や、測定局内に設置された装置の保守・管理などを行っている。 前職時に取得した環境計量士(濃度関係)の資格を活かせる仕事ができればと、前田さんは16年前に地元・千葉に戻り成田国際空港振興協会に入社した。環境計量士は国家資格で、大気中や水中、土壌に含まれる化学物質などの濃度または騒音・振動など環境保全に関わる値について、それが正しいデータであると証明することができる計量管理のエキスパート。前田さんは日々、NAA本社ビル内にある環境監視室で各測定局から集まるデータを監視している。週に1回は各測定局にも出向いて装置の点検・メンテナンスを行う。日々のデータを1カ月分取りまとめて報告書を作成し、空港周辺の環境に異変がないか確認している。 大気質では大気汚染物質の濃度が基準を超えていないか、水質では空港から排出される雨水排水などが地域の河川の水質に影響を与えていないかどうかがチェックするポイントである。 測定データを出す上で前田さんが常に気をつけているのは「客観的な立場で、信頼できる数値を責任を持って出すこと」。データは測定時のさまざまな外的要因により誤差が生じることもあるが、その中から正しい数値を見極めていくのである。 成田空港の環境調査に関わって以来、航空機の性能向上や自動車排出ガス規制の強化などにより、環境が少しずつ良くなってきていることを実感するものの、前田さんは「空港の環境に携わる人間として、子供たちに残せる、さらに良い環境を作っていきたい」と目標を語る。高い信頼性のある日々のデータは、成田空港の環境保全の取り組みの大きな原動力になっている。環“信頼できる数値”に責任を持つ