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概要

GPR1904

第1ターミナル地下コンコースでの空間演出の一部(左/東洲斎写楽の「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」 右/横山大観の「雲中富士」)う作成されている。また、外国人の観光客が登場して観光、体験する様子が盛り込まれている。到着されたお客さまがこれに共感し、これから始まる旅の期待感、高揚感を高めていただけるように配慮している。 映像は、JNTOの動画はそれぞれ1分程度、パナソニック社の動画は2分程度の合計約17分で構成され、これがループする形で繰り返し投影される。 なお、成田空港の第1・第2ターミナルで現在行われている施設のバリューアップ計画では、ターミナルの天井・内装・照明・案内サインの改修やエレベーターの能力増強(改修・新設)、トイレのリニューアル、ユニバーサルデザインへの対応の強化等を進めており、日本の表玄関としての成田空港のさらなる魅力アップを図っている。「日本美術の名品」の空間も拡張   到着コンコースでのプロジェクターや液晶ディスプレイを活用した空間演出に先立ち、昨年12月からは、第1ターミナル地下コンコース(出国手続き前エリア)にも、日本美術の名品によるおもてなしの空間が誕生した。これは、2017年度に取り組んだ、東京国立博物館、スリーエムジャパンとの3者によるコラボレーションの第2弾で、東京国立博物館所蔵の日本を代表する名品を、スリーエムジャパンが開発した特殊フィルム「3M? スコッチカル? ペイントフィルム」にプリントして、館内の壁面に貼り付けているもの。鮮やかな色彩が特徴で、2017年度には第1ターミナル到着ロビーから地下1階につながる南北2カ所の連絡通路部分に、葛飾北斎の代表作である「冨嶽三十六景」や、国宝の「洛中洛外図?風舟木本」など7件を掲出している。 今回は同様の取り組みを、第1ターミナルの中央ビルと結ぶ地下コンコースにもエリアを拡張してギャラリーを展開。浮世絵の中でもよく知られている東洲斎写楽の「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」や喜多川歌麿の「婦女人相十品・ポッピンを吹く女」、歌川広重の「名所江戸百景・両国花火」など、東京国立博物館所蔵の重要文化財などの日本美術を代表する12件の名作が、コンコース上の壁面と天井面にダイナミックに展開され、お客さまの目を引いている。 3者がターミナル内の空間演出で連携した背景には、それぞれにとっての課題があった。このうちNAAは、英国に本拠を置く航空関係の調査・格付け会社であるSKYTRAX社による空港を対象とした格付けで、現在の4スターからランクアップした5スターの獲得に向けて、ターミナル内の空間的魅力の向上を図りたいという思いがあった。SKYTRAX社が、過去に行われた成田空港における監査において、ターミナルビル内の装飾が無機質で、空間的魅力が乏しいことを指摘。NAAではこの状況を改善し、増加が続く訪日外国人旅客に対する“おもてなし”として新たな施策を推進したいと考えていた。 また、日本で最も長い歴史を持つ博物館である東京国立博物館は、日本を中心としたアジア諸地域にわたる有形文化財の収集・保存・展示等の事業を行っており、成田空港でのPRを強化することで、訪日外国人旅客の来館を、より一層促したいという意図があった。さらに、スリーエムジャパンでは、凹凸のある壁面・床面にも直接貼ることができる優れた性能を有する「3M? スコッチカル?ペイントフィルム」を、多くの利用客がいる成田空港で広くPRしたいという意向があり、この3者の思いを背景にコラボレーションが実現した。 成田空港では、日本の魅力を発信することによって、海外からのお客さまを中心におもてなしの心をお伝えするとともに、成田空港を再度利用したいと思っていただけるような、さらなる魅力向上を図っている。Apr. 2019 3