ブックタイトルGPR1810

概要

GPR1810

識者から成田空港へのエール店舗などへの経路を案内するナビゲーションアプリ「NariNAVI」（ナリナビ）のサービスが始まりました。　この屋内ナビゲーションアプリは、無料でダウンロードができ（通信料はお客さま負担）、日本語・英語・中国語（簡体字・繁体字）・韓国語の5言語に対応しています。　ターミナル内で現在位置を測位する技術としては、館内に分布する地磁気（地球の磁場）とBLE※ビーコンが発信する電波を活用。スマートフォンのセンサーで感知することで、高い精度で現在位置を把握できます。　この情報をもとにした目的地へのナビゲーションに加えて、ご利用される便の時刻変更や搭乗開始等が簡単に確認できる「マイフライト機能」も備えています。また、双方向型デジタルサイネージ「infotouch」で調べたルート検索の結果を、二次元コードを介してスマートフォンに転送し、Web上で確認することもできます。　さらに地図の表示では、通常の2D（平面）マップに加えて、立体的な階層表現が可能な2.5Dマップも採用しており、成田空港を初めてご利用になるお客さまにとっても、不安なく快適に空港をご利用いただけるようサポートいたします。　国内空港で初めて、GPS電波が届かないターミナル内でも、お客さまの位置情報をスマートフォン上にリアルタイムで表示するとともに、現在位置から搭乗ゲートや　筆者は本誌の読者のひとりであり、毎号「Person of Talent?空港を支えるプロフェッショナル」を楽しみにしている。成田のランプコントロールの評判は海外でも高いた。しかも、こうしたスタッフの大半は地域の住民でもあり、彼らは家庭をもち、子どもも地域の一員となり、郷土愛が育まれる。これこそ、成田の財産である。　空港経営という用語が定着したのはこの10年ほどであろうか。長年、空港運営と言われていたのは、インフラの重要性はエアサイド側にあったのが理由である。近年、わが国で進むコンセッションは、「着陸料を下げて航空機＝旅客を増やし、非航空系収入で航空系収入をカバーする」スキームを売り文句とし、ランドサイド側を重視している。しかし、航空機がいない空港は単なるオープンスペースにすぎない。　わが国でエアサイドを熟知する人材を有するのは、国管理空港と会社管理空港のみであった。しかし、運営権を購入した空港運営会社にはこうした人材も重要となる。「人」は大きなコスト要因ともなるが、「人」に注のメンテナンスから警備や消防そして場面管理に至る多くの業務が存在し、それらをNAAとグループ会社12社のプロ達が担う。　例えば、NAAが行うランプコントロール業務は空港の最前線とも言えるが、社員が航空無線通信士資格を取得し訓練を経て、ランプコントロールタワーの仕事人となる。加えて、多くの会社や官庁のプロ達が、CIQや貨物施設などで汗を流す。開港40年を経て、成田空港周辺はプロという人材資源の集積地となっかとう・かずせい●1964年生まれ。博士（経済学）（同志社大学）。関西外国語大学、日本大学経済学部を経て2015年より現職。航空政策研究会理事・事務局長などを務める。Profileと聞くが、航空会社の定時運航を支えるプロ達の力は大きい。そして、地域との共生、これも人が編んだ歴史であり、過去から今日までの人がいる。今回は前者を中心に語ろう。　空港は滑走路、誘導路、エプロンなどのエアサイドとターミナルビル中心のランドサイドに大別されるが、NAAは日本の空港の中でも随一の両サイドを担うスタッフを抱える。　空港の業務といえば、グランドスタッフ、マーシャラーなど地上作業を担うグランドハンドリングスタッフなど航空機を直接サポートする仕事が注目されがちだが、空港という巨大なインフラには電気や情報通信などの施設目が集まるのは、そのほとんどがイレギュラー時や非常時ではないだろうか。災害が生じるたびに、エアサイドの重要性を世間に知らしめることになる。　空港経営には収益性や効率性が必要不可欠である。しかし、公共性を忘れてはならない。成田空港に蓄積された人的資源は、公共性を支えるプロなのである。NAAのプロたち加藤一誠（慶應義塾大学商学部教授）【】高精度屋内ナビアプリ「NariNAVI」で館内をご案内なるほど便利帖N A R I T AA I R P O R T通常の2Dマップ（左）に加えて階層表現が可能な2.5Dマップ（右）も表示できるv o l . 3※BLE：Bluetooth Low Energy（Bluetoothを使用した少電力ビーコン）Oct. 2018 7