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概要

GPR1808

●2020年に向けた具体的な取り組み項目/内容実施時期PTBバリューアップ● 感覚的に進むべき動線が分かる施設や、すべてのお客さまに分かりやすい案内サイン等を整備 ◇案内カウンター● 見つけやすさの向上、ローカウンターの整備◇● コミュニケーション手段の充実、スタッフ教育◎エレベーター● 増設・カゴの拡張○● ガラス窓付きドアの設置、点状ブロックの改修等◇● 固定橋エレベーターの整備☆エスカレーター● 音声案内の設置、点状ブロックの改修◇階段● 段鼻のコントラスト・照明の確保、手すり・点状ブロックの改修△傾斜路● 傾斜路の改修△● 踊り場のコントラストの確保、手すり・点状ブロックの改修△トイレ● 多機能トイレの機能分散、異性介助への対応◇● 障害者対応機能の改修(呼び出しボタンへの文字表示等) ◇駐車場・乗降場● 障害者用駐車スペースの見直し、インターホン改修、カーブサイドにおける乗降場の設置◇視覚障害者誘導● 視覚障害者誘導用ブロックの改修等◇● 視覚障害者の移動等に関する支援(人的支援・情報提供等) ◎クールダウン・カームダウン● クールダウン・カームダウンスペースの設置、パニック予防や回復のためのツールの用意◎情報提供・コミュニケーション● WEBアクセシビリティーの向上○● WEBユーザビリティーの向上・冊子等を含めた情報提供の拡充◇● 案内サインの改修◇● ICT活用による音声情報の文字化○● コミュニケーション手段の充実(案内カウンター以外も含む) ◎緊急時対応● トイレ以外の個室空間(授乳室、祈祷室等)へのフラッシュライト設置◇● デジタルサイネージ等を活用した情報提供の充実、聴覚障害者に対する人的支援体制の構築、障害者団体と連携した避難誘導方法の改善△仕組みの構築・スタッフ教育● 基本的な接遇や介助方法のマニュアル化、切れ目のない支援提供のための情報提供、障害に対する理解を深めるスタッフ教育◎【「実施時期」の凡例】 ◎=2018年度以降順次 ○=2018年度末まで ☆=2019年度以降順次 △=2019年度上期まで ◇=2019年度末までれに基づいた取り組みの指針を示すとともに、まずは2020年までに実施する具体的な計画も決定した。 2020年に向け、第1・第2ターミナルを大幅にリニューアルする「バリューアップ計画」をすでに発表している。今回の基本計画を受け、成田空港の特徴的な取り組みの例として、「クールダウン・カームダウンスペースの設置」も挙げられる。これまであまり意識されてこなかった発達障害への対応を実施するもの。発達障害のひとつの特性である感覚過敏の方が、外部からの刺激がストレスになってパニックを起こすことが避けられるよう、外からの音や光、視線等を遮ることができるプライベートな空間を用意する。公共交通機関として成田空港が初めて設置したこのスペースは、すでに第1・第2ターミナルの国内線エリアに1カ所ずつがあるが、今後は国際線や第3ターミナルにも順次設けていく。 また、成田空港は施設の構造上、階層移動が多いため、車いす使用者などにとって重要となるエレベーターの増設と機能増強(大型のカゴへの交換)を実施する。さらに、館内での整備に加えて、搭乗ゲート付近の運搬用エレベーターを25カ所に順次設置していくこと(2020年以降の実施分も含む)も大きなポイント。車いす使用者は、使いやすいように車いすをカスタマイズしており、その車いすを搭乗直前まで利用したいというニーズがある。しかし、その車いすを航空機に搭載するための準備作業が生じることから、搭乗までの早い段階で航空会社が用意した車いすに乗り換えていただくケースもある。もし、搭乗ゲート付近に運搬用エレベーターがあれば、搭乗口でお預かりして地上に降ろすことが可能となり、航空機への搭載が容易となることから、航空機に搭乗する直前まで、自身の車いすを利用できる環境が整うことになる。 一方、トイレのUD化については、現在行われている「トイレリニューアル」の中で進めており、第1ターミナルには、男女の別なく利用できる「オールジェンダートイレ」を試行的に整備する。これは異性介助での利用を想定しているほか、性的マイノリティーの方でも性別を意識せずに気軽に利用できる。 また、ソフト面の対応強化では、「ユニバーサルサービスセミナー」を開催するなどの取り組みを進めている。車いす操作の実践セミナーや、介助犬・補助犬への理解促進などのテーマ別講習会のほか、ご案内カウンタースタッフを対象とした手話研修なども行っている。今後もこうした接遇研修やセミナーなどを積極的に開催していく計画で、「職種によってニーズや求められるスキルも異なりますので、より現場に即した内容で、全てのスタッフの底上げが図れる研修を行っていきたいと考えています」(CS推進部営業企画推進室副主幹 山田浩介氏)。 今回の基本計画では、「取り組みを実施した後も定期的な評価を行い、その結果を改善につなげることで継続的な向上(スパイラルアップ)を図る」こととしている。定期的な評価の具体的な手法等は今後検討を重ねるようになるが、2020年以降、2年に1度のペースで自己(NAA)評価に加え第三者評価を実施し、その結果を踏まえて基本計画の改定等も行う。 なお、障害者を意識したUD化の推進は、時に利害の衝突を生むことも少なくない。例えば、視覚障害者のために設置した音声案内が、聴覚過敏の人にとっては「うるさい」と感じられるケース等である。UD化の取り組みに模範解答はないが、より広範囲な当事者参加による議論を積み重ねながら、多様なお客さまが安全・安心・快適に利用できる、世界トップレベルのUD水準の実現を目指す。2020年に向けて具体策を順次推進定期的な評価を重ねて次の改善へAug. 2018 3