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概要

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オリバーは、止まり木のような、また立ち寄りたくなるスペースに(第2サテライト3階)※ 1989年創立のイギリスに拠点を置く航空サービスリサーチ会社。世界各地の空港や航空会社の評価を行っている〈位置図:第1ターミナル〉南ウイング中央ビル新館イトーキオリバーknoll北ウイング第2サテライト212223242527 2633 31第3サテライト組んでいく計画である。 「これまでのシーティングスペースは、画一的なデザインの椅子が多かったが、お客さまのニーズに対応しデザイン性に富んだ椅子を導入することで、快適性と空間の価値向上を実現したいと考えていました」(松本氏)。その背景には、SKYTRAX社※から、パブリックエリアの椅子等について「画一的で多様性がない」と助言を受けていたこともある。ここで言う多様性とは、「電源が確保できること、飲食ができること、パソコンなどによるワークスペースがあること等の機能面やリラックスしてくつろげること」など。SKYTRAX社からは、「よりデザイン主導のアプローチを採用することを推奨する」などアドバイスも受けたが、NAAは今回のリニューアルで、それらの要求に十分に応えることができたと考えている。 今回のリニューアルコンセプトは、「自然を体感し記憶に残る環境デザイン」であり、4カ所とも内装に木調素材を多用し、日本の感性を現代的に表現するとともに、視覚的に緑を多く見せ、さわやかで明るく、リラックスできる空間を目指した。中央ビル新館3階の330㎡のシーティングスペースに置いたのは、北米を代表するモダン家具メーカーであるKnollの151席。高い快適性とデザイン性を両立したRockwellシリーズを中心とした構成で、椅子のファブリックには黄、赤、緑や紫などの色を多用しながらもテーブルは白やグレー、天然木などを選び、バランス良く配置している。食事ができるテーブル、リラックスできるソファのほか、パソコンが使える電源付きデスク、携帯電話等の充電ができるヒップバー(腰掛け椅子)など、多彩な目的に応えられる家具を配置した。 第2サテライト2階は約330㎡のスペースに、先進的なオフィスづくりで知られるイトーキのインテリア64席を配置。空港内でオフィスと同じように本格的に仕事ができる空間の提供を目指して、新しいワークスタイル空間「NEW WORK STYLE」、コミュニケーションの活性化を促すパステルカラーの空間「COMMUNICATION」、集中して作業に取り組むための「FOCUS」の3つのスペースで構成している。 第2サテライト3階は約320㎡のスペースに、主に業務用家具の製造や技術力に定評があるオリバーが143席を配置。「Nest」(“止まり木”等の意)をコンセプトに、お客さまが再び立ち寄りたくなるような、ゆったりした空間を目指した。日本らしさを意識した色彩とし、パーゴラ(棚)の緑と装飾照明で落ち着いた雰囲気に、手前の飲食店側はカジュアルなカフェスタイル、奥は柔らかい素材のタイルカーペットが敷かれたラグジュアリーな雰囲気で、出発前にくつろげる空間となっている。 26・27番ゲートラウンジの間に位置する約130㎡の空間はオフィス家具の空間マネジメント会社インターオフィスが担当する。ここにはキッズパークがあり、その周りをL字型に囲むように約40席を配置する。ベンチチェスト型の椅子をはじめ、ビビッドなビタミンカラーを取り入れた家具を揃えて、くつろぎにも仕事にも良い、先進的な空間を作る予定となっている。 今回の取り組みは、成田空港では初の試みとなる家具メーカーとのコラボレーション。一方、第2ターミナルの出発審査後エリアで本館とサテライトを結ぶ連絡通路「NARITA SKY LOUNGE 和」内には2015年4月から、体感型トイレギャラリーとして「GALLERY TOTO」をオープンしており、これが成田空港の空間価値の向上でメーカーとコラボレーションした第1弾である。NAAは、今後も企業との協力も含めた積極的な取り組みで、お客さま満足度の徹底追求を図っていく。自然を体感し記憶に残る環境デザインApril 2018 GREEN PORT REPORT 5