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概要

Education_2020

上/日本旅行がオンラインで開催したSBスチューデント・アンバサダー全国大会 下/アサヒトラベルインターナショナルが企画したオンライン異文化体験ツアー 教育旅行の専門会社であるアサヒトラベルインターナショナル(ATI)は、コロナ渦中の取り組みとして、さまざまなオンライン企画を商品化している。海外へ出かけられないため、思うように異文化体験や国際理解教育を提供できない学校や教師の悩みを少しでも解消しようと商品化を進めた。「商品提供を通じて、コロナ渦中にあっても学校や先生方、あるいはこれまで受け入れてもらってきた海外の教育機関やホームステイのコーディネーターなど、関係者とのつながりを維持しておくこと。また、それによって海外渡航が可能となった時に迅速に旅行を再開できる環境を用意しておくことが重要だと考えた」(同社)からだ。 すでに中高生対象の「オンライン異文化体験~2時間で行く世界一周旅行~」は10月から年内に予定した全3回のうち2回を実施済み。海外の学校の実態や、海外から見た日本について、現地の同世代との交流も交えて学ぶ。1回のオンライン旅行で3カ国を巡る2時間のプログラムだ。また、高校生以上が対象の「家でも海外研修」は、自宅にいながら世界の語学学校の授業にリアルタイムで参加できるオンライン留学企画。このほか、中高生を対象に毎年12月のクリスマスシーズンに実施してきた人気企画「ホリデイホームステイプログラム カナダ&フィンランド」もオンラインで商品化し、追加設定が必要になるほどの好評企画となった。 移動が制限されるなかオンラインに頼るのは各社とも同様で、たとえばJTB は11月にオンラインによる海外の学校・生徒との交流機会「グローバル同世代交流」プログラムを発売した。国内教育旅行では、360度の仮想現実(VR)体験を中心に据えた「バーチャル修学旅行360」を実施している。海外展開への応用はハードルが高いが、“新感覚体験旅行”をうたうアイデアは海外教育旅行でも通用すると期待される。 最先端の取り組みとして近年、注目度が上昇しているのが、生徒が国内で行った研究成果を国際発表会に参加して披露する海外教育旅行だ。JTB が事務局を務めるグローバル・リンク・シンガポールやグローバル・リンク・クイーンズランドが先行したが、この分野に日本旅行も参戦した。サステナビリティーをテーマにディスカッションする「サステナブル・ブランド国際会議」に高校生が参加し、意見発表を行う「サステナブル・ブランド(SB)国際会議スチューデント・アンバサダー・プログラム」を企画。米国開催の国際会議への派遣はコロナ禍で中止となったが、10月には東京と大阪で「SB スチューデント・アンバサダー全国大会」をオンラインで開催した。高校生のSDGs 学習を支援しており、来年以降に再び国際会議への参加を実現すべく、活動を継続している。海外教育旅行をめぐっては、21年夏以降に海外での研修再開を目指す動きが一部の学校で見られ、長期滞在を前提とした留学生の渡航も少しずつ始まっている。本格的な再開に備え、旅行会社はオンラインなどを活用し、いまできる企画の商品化に取り組んでいる。オンラインで国際交流を企画海外教育旅行ガイド 2021 4