ブックタイトルEducation181210

概要

Education181210

が義務付けられており、スーパーグローバルハイスクール（SGH）は「国際的素養を身に付け、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図る」ことが求められる。SSH やSGH にとっては海外の舞台に立つことは要望というより必須条件となっているわけだ。　こうしたニーズに応えるために工夫を重ねているのがJTB グループだ。同グループでは、つくば国際会議場との連携により、中高生の科学アイデアコンテスト「つくばサイエンスエッジ」を10年にスタート。海外からも参加者が集まる国際イベントに成長したが、このイベントをよりグローバルに展開する目的で14年からはシンガポールを舞台に「グローバルサイエンスリンク・シンガポール」を開催している。　16年からは科学の研究発表だけでなく、社会課題の研究発表を行う「グローバルリンク・シンガポール」として開催。文科系、理科系にかかわらずすべての生徒が参加可能なグローバルイベントへ進化している。第9回目を迎えた今年は、アジア太平洋を中心に9つの国と地域（日本、シンガポール、タイ、フィリピン、ミャンマー、ベトナム、インドネシア、モンゴル、香港）から計53校、約260人の中高生が参加して研究発表や交流を行い、日本からも26校・160人が参加した。　日本とアジア太平洋地域に教育を軸とした交流文化の場をグローバルリンク・シンガポールという具体的な形として創出することにより、海外教育旅行の分野でのプレゼンスの向上を図ろうというのがJTB の戦略だ。　こうした傾向を受けて班別学習向けのサービス体制を強化してきたのが日本旅行だ。同社では、教育旅行の事前学習から旅行中、事後学習までをウェブを通じてサポートする「E2なび」を開発した。「事前学習・下調べ」「行程作成機能」「管理機能」「安全管理機能」「保護者向け機能」「アルバム・レポート作成機能」の6機能を提供している。　13年から提供しており、学校側の教育旅行担当者の負担軽減やペーパーレス化による書類・紙の削減に貢献しているが、ニーズが増大する班別学習の円滑な実施にも寄与している。具体的には、行程作成機能では、現地の交通機関等の情報や地図を参照でき、学校の担当者が班別プログラムを考案する際に助けとなる。また、安全管理機能を活用することで、たとえばスマートフォンアプリを教育旅行中に利用することにより、班別行動中もGPS を利用した位置情報の確認や道に迷った場合の経路案内などを行うこともできる。　海外教育旅行を実施する教育機関でも、特に語学教育に力を入れたり、世界水準の学力レベルを目指したりする学校は、単なる学校交流や学校訪問では満足しないケースも出てきている。　そうした学校の中には生徒の語学力や日頃の研究成果を海外の舞台で披露する機会を求める動きもある。たとえばスーパーサイエンスハイスクール（SSH）は「国際性を育てるために必要な語学力の強化」「国際的な科学コンテストへの積極的な参加」国際イベントを創出左／アジア9カ国・地域から参加者が集まったグローバルリンク・シンガポール　上／日本旅行が開発した「E2なび」。学校側の立場に立った機能を搭載海外教育旅行ガイド 2019 7