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概要

Education181210

海外教育旅行の必須プログラムともいえるのが体験交流企画だ。スムーズな実施と優れた教育効果を両立させるポイントとは。現地事情の理解が不可欠 最もポピュラーな体験交流企画は現地の学校との交流だ。同年代間の交流は共通の興味や関心事を媒介として生徒同士が打ち解けやすく、積極的にコミュニケーションを取ろうという意欲が高まるため、語学学習の面でも成果が上がりやすい。訪問先が学校ということで交流スペース確保も容易で、安全性も高いため企画としては人気が高い。 問題は交流を受け入れてくれる学校の確保だ。姉妹校などがある場合は比較的容易だが、最近では日本からやって来る学校との交流に積極的な現地学校の確保は必ずしも容易ではない。時期が集中することや学業レベルの不一致なども理由となる。国により学期やテスト時期が異なり、日本の修学旅行シーズンと現地の休暇シーズンやテスト時期と重なると学校交流の実現は難しい。 交流の中身に関しても、ありがちな企画として歌や踊りを披露し合う表敬訪問的な内容は、相手の学校によっては好まれない場合もある。相手校の生徒や教員にとっても学びの要素を含んだ内容であることが重要だ。 国によっては、教育省や観光局などの公的機関が受け入れ先探しをサポートしてくれる場合もあり、旅行会社のつてや公的機関のサポートなどを総動員して実現する必要がある。 同年代の学校交流とは別に、先輩の年代に当たる大学生との交流や大学のキャンパス訪問も人気が高まっている。先輩年代との交流は、グローバル時代における自分の将来像をイメージしたり、海外留学への関心を高めたりする効果がある。少人数のグループに分かれ、現地の大学生がグループに付き添い、現地を案内してくれるプログラムを用意できる国は東南アジアを中心に少なくない。 ホームステイやファームステイも体験交流プログラムの王道として人気が高い。受け入れ家庭や施設の選定・手配に関しては、民間企業や団体がビジネスベースで対応しているケースもあり、比較的容易に実現できる。ただし、国によっては日本との生活環境のギャップが大きい場合もあるため、事前に現地の文化や生活習慣に関するレクチャーを行い、事前学習する必要がある。 学校交流やホームステイにとどまらず、新しい体験プログラムに取り組む学校も増えており、ボランティアや環境学習などの体験プログラムに注目が集まっている。たとえば、現地の高齢者施設や介護施設を訪問して入所者と交流したり、植林・植樹活動に参加したりするボランティアプログラムが多い。また動物園や動物保護施設、SDGs で先進的な取り組みを行う施設を訪ね、作業の手伝いを通じて動物保護活動や環境問題の実態に触れるといった体験プログラムもある。体験交流企画のPOINT20 海外教育旅行ガイド 2019