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概要

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体験交流はいまや海外教育旅行になくてはならない要素だ。しかし、日本とは異なる環境で行う発想の異なる人々との交流には留意すべきポイントもある。双方に高い教育効果現地ニーズとマッチング体験交流企画のポイント 多くの学校が教育旅行中に組み込むことを求めるのが現地の学校との交流。同じ世代間の交流は生徒にとって高い教育効果をもたらすプログラムであることがその理由だ。生徒たちに相手校の外国人たちとコミュニケーションをもっと取りたいと思わせる効果があり、語学学習のモチベーションアップにもつながりやすいのが特徴だ。実施に関しても、訪問先が学校であれば安全性が高く、交流スペースの確保も容易なメリットがある。 ただし、交流先の確保は大きなハードルだ。そのため、最近では初めから安定的に学校を確保することを目的に姉妹校提携を結ぶケースもあるほど。日本から訪れる学校との交流に消極的な学校も少なくない状況の下、まずは交流先を堅実に確保したいところだ。 学校交流の相手先を確保するにあたっては留意すべき点がいくつかある。まず考慮すべきは時期とタイミングだ。日本の学校の修学旅行や研修旅行は時期が集中しやすいため、時期をずらせれば確保の難易度は下がる。時期の移動は難しくても、最低限、相手国のカレンダーを確認し、ホリデーシーズンや休日、テスト時期のタイミングは避ける配慮が必要だろう。できるだけ自校の学業レベルや専攻科目などが見合った相手校を探すことで、相手校にも教育効果があることを説明しやすい。 交流プログラムの内容もありきたりな内容は敬遠されがちだ。歌や踊りを披露し合う表敬訪問的な内容は飽きられ、また相手校も学習の効果を実感しにくい。 新たなアイデアを盛り込んだ提案も必要だろう。日本語学科があるような学校を探し出し、現地で授業を体験するといった方法もある。学校の内容や概要に関する情報を相手国の教育省や観光局といった公的機関の力添えで入手できる場合もある。こうした支援を活用し、適切な交流校や交流内容を選びたい。 また、タイ、シンガポール、マレーシアなど東南アジアやオーストラリアでは、教育旅行で訪れる中学生や高校生を大学生がアテンドして市内やキャンパスを案内する制度がある。小グループに分かれて行動する際に地元を知る大学生が付き添ってくれるのは安心材料でもあり、先輩年代との交流から生徒たちが学べるものは多い。 このほか、学校交流だけでなく現地企業訪問を選択する学校も増えている。特に日本と違い経済成長の真っただ中にある東南アジアの国々では、企業訪問を通じて経済活動のエネルギーを肌で感じ、グローバルなダイナミズムを体感することができる。日系企業が進出している国も多く、グローバルに活躍する日本人の姿を間近に見ることも重要な学びの要素になる。海外教育旅行ガイド 2020 9