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概要

EDguide_191209

 ICT(情報通信技術)の急速な発展と、AI(人工知能)、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)など最先端テクノロジーが結び付き、いまや第4次産業革命とも呼ばれる変化が始まり、社会・経済に大きな地殻変動が起きつつある。地球規模でこのような変化の大波が起きるなかでモノも情報も技術も楽々と国境を超えるようになり、グローバル化はスピードアップしている。並行して人が活躍する場所の選択肢も国境を超えて広まり、企業にとっても国籍や人種を超えた人材の確保とダイバーシティの確保が不可欠になりつつある。 加えて少子高齢化が進む日本では、外国人労働力を受け入れていく必要があり、政府は4月の改正出入国管理法で外国人の雇用本格化に舵を切った。これから、こうした社会に参加していくことになる若者にとって必要となるのは、単なる知識だけでなく、正しい国際理解に基づく国際感覚やダイバーシティへの対応力。これなくしては文字どおり死活問題になるといえる。 文部科学省は20年度以降の教育の柱となる学習指導要領の改定で、その意図を「学校で学んだことが、子供たちの『生きる力』となって、明日に、そしてその先の人生につながってほしい。これからの社会が、どんなに変化して予測困難な時代になっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい」と明記した。その生きる力を鍛える機会として期待されているのが海外教育旅行だ。 日本とは言語も生活習慣も社会状況も異なる海外で異文化体験することは、国際理解の第一歩を踏み出すことにつながる。また、多くの人種が共生する複合民族社会を垣間見ることでダイバーシティの重要性を肌で知ることにもなる。 海外教育旅行を実施した多くの学校が、海外の同年代との交流を通じて生徒たちが大きな刺激を受けたこと、生徒の価値観を揺さぶる体験の機会があったこと、あるいは直接コミュニケーションしたいとの思いが動機となって語学の習得意欲が増進したことなどを挙げるのが、その証拠だ。17年度は15万人が参加高まる海外教育旅行生きる力育み、グローバル人材育成社会や経済のグローバル化がいや応なく進む一方で、若者の内向き志向が指摘される日本。教育にもこのギャップを埋める取り組みが求められ、海外教育旅行への関心が高まりつつある。折しも、「生きる力」を重視した学習指導要領の改定が行われ、海外の体験でこそ得られる学習効果に期待が集まる。海外教育旅行ガイド 2020 2