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概要

40_1964-2003

40 Years of lT in Travel lndustry旅行業における`1人:'とコンピューターの調和ウィ。キャン代表取締役社長山口準―一良『氏“せわしなさ"から“ゆとり"へ『「夢を売る」とまで言われる旅行業ですが、その実際はどこかせわしげで画一的です。そしてなおも増大し多様化し続けるさまざまなニーズが、「旅」が本来持つべき“ゆとり"を失わせてゆくのでしょうか?この繰り返しをなんとか断ち切りたい。人と人が「夢」を語り、「旅」を語り、また「生きがい」を語り合う心のゆとりと時間を取り戻すために………』これは弊社の企業理念の一文です。私は、二十余年にわたり旅行業界を見つめ、旅行業務支援システムの開発に携わってきましたが、その目指すもののひとつに、コンピューター利用を推進することで、“せわしなさ"を“ゆとり''に変えていきたい、という思いがありました。1ヽまから20年甫rr)1984年には、旅行業務にコンピューターを利用している会社はごくわずかで、99%は未対応の状況だったと思われますが、2004年の現在、逆に99%の旅行会社が何らかの形でコンピューターを活用しています。その急速かつ着実な普及と利用の向上が、この間の旅行業発展を支えた要素のひとつと考えてよいと思います。それは、①取扱量増大への対応力強化の必要性、②利益率低下に伴う省力的な処理要求、③コンピューター機器および通信費用の低価格化、④旅行業務支援システムの汎用アプリケーションの出現と成長、によって促進されたとも言えます。その意味で、旅行業務支援システムの果たした意義・役割は決して小さくなかったのではないでしょうか。ですが、それが実際に旅行業界で働く方々の“ゆとり"づくりにつながったかというと、そうとは言い切れない状況もあります。確かに残業が大幅に減った、同じ要員で倍の量のお客様に対応できている、煩雑な照合業務が大幅に軽減できた、明らかに収益性が向上した、などの嬉しい声もあります。しかし、特に90年以降は、業界もさまざまな向かい風を受け、また収益率低下の荒波寄稿:ツ…リズムの発展と業務支援システムに巻き込まれるなか、コンピューター利用による省力化と合理化が“ゆとり"として反映され、生かされたケースは、残念ながらそれほど多くないのが実態かと思います。無論、“ゆとり"以前に、解消すべき諸問題が山積しているという現実も十分に想定されます。「情報は会社の資産」を体現このように一定の意義・役割を果たしながらも、やむなき理由から本来の成果にまで達していないという状況のなかで、それでも大きな成果だと思えるものがあります。それは旅行業における、「情報」と「情報処理」に対する理解向上、そして態度の変化です。コンピューターが導入される以前の旅行業、あるいは旅行会社においては、「情報」というものは会社と個人がそれぞれに分散所有されるものと考えられていました。もちろん理屈上は、「情報は会社の資産である」との認識があったはずですが、現実にはそれを維持する手立てはなく、社員が退職するとその社員が持つ情報も同時に失わざるをえなかったわけです。旅行業務支援システムの導入により、こうした現象をある程度解消できたことは、評価すべきことではないかと思います。また、職務上人手した「情報」を速やかに1カ所に集めることで、業務効率は飛躍的に向上しましたが、同時に、「情報は会社の資産である」ことを理屈ではなく事実として、社員に理解させることにもつながったわけです。旅行業の仕事の90%は「情報」を取り扱っています。ですから、「情報処理能力」にいかに長けているかが、旅行業としての成長・発展のポイントであることは明白です。そしてその情報は「会社の資産」です。コンピューターシステムは、その情報処理と資産管理の双方を実現するために活用されてきましたし、今後まだまだ、拡充と成長が期待できるものと考えます。旅行業発展に向けて調和追及インターネットを活用した旅行商品販売も飛躍的に増大しており、今後もさらに拍車が掛かりそうな勢いです。会社の保有情報を正しく確実にお客様に伝えることができ、またお客様の情報を同様に入手できるのですから利用価値は絶大です。一方でインターネット販売に頼らず、集客・収益を伸ばす旅行会社も数多く存在します。経営方針や取り扱い商品などの違いによるものと思いますが、これからの旅行業はその意味で二極化していくのではないかとみています。それに伴い、旅行業務支援システムも双方への対応が求められていく。それが今後の旅行業務支援システムに課せられた命題ではないかと考えています。いずれにしても、コンピューターにできることはコンピューターにやらせる。 ``人''にしかできないことは“人"が受け持つ。それを通じて、お客様に迅速で正確なサービスと“ゆとり"を提供していくことが、旅行業発展の軸となるはずです。これからも、「旅行業における“人"とコンピューターの調和」を追求することで、旅行業界の発展に寄与できればと思っています。山口準―郎ル″励′″ο物″″躍湯′1950年鹿児島県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。株式会社ユニオンエアーサービス、日新航空サービス株式会社を経て、1983年7月株式会社ウィ。キャンを設立。旅行業基幹業務システムの研究。開発・提供に取り組んでいる。-:1- --'n■llF・■ ll卜.´ し′■量彎●, 」■  ■‐■‐ ■「1∫‐=「‐_ 与■・唸tt観光立国への道 59F=