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概要

40_1964-2003

旅行業lTの40年旅行業務支援システムオフコンからCSS、ASPへ70年代末の店頭業務の様子。分厚いホテルガイドにタイプライターなど、とにかく人手が頼りだった普及の鍵を握った損害保険会社旅行業務支援システムの普及は、海外旅行傷害保険を発売する損害保険会社が担った。その一例が、1991年に設立し、「タビィー」の名で旅行業のソフトウェアを普及させたトラベルデータだ。同社は同年12月、旅行業務支援システムと連係した海外傷害保険発行システムをマッキントッシュ版で発売開始。同年、イギリスのロイヤル保険と、92年にはシグナ保険(現エース損害保険)、安田火災(現損保ジャパン)と相次いで販売業務提携を締結。93年には住友海上(現三井住友海上)、94年には三井海上(同)とも販売業務提携を開始したほか、アポロなど航空会社系CRSとの業務提携も強め、顧客管理、予約管理、出入金管理、売上・粗利益集計業務などを行う業務支援システムと、CRS、旅行保険の契約証の発券業務をタビィー1台で担った。このため、自社の発券システムを持たなかった損害保険会社は、タビィーを保険の発券システムとして旅行会社に普及させた。アイコンの前身であるIDBも同様に、CRSと保険証書の発券機能を持たせ、アポロ、AIUと合同で「アスコム2」を搭載した「トリプル」の拡販に務めた。この結果、AIUとユナイテッド航空(UA)が端末の普及を担うことになった。この頃になると、システムはWindOws3.1で動くものが増え、簡単なネットワークが構築できるようになったほか、機能はEDカードの作成や顧客管理だけでなく、経理、手配、主催、販売などの機能がOLE(Oblect Linking andEmbedding)によって運動していく。現在のシステムが持つ機能とほぼ同じものが姿を現し、旅行業務支援システムの完成度を高めた。同一画面でさまざまな旅行業務を処理できることから、オフィス環境に業務効率化と省スペース化をもたらし始めた。ハード構成はPC/AT互換機が主流になった。Windows95でネットワーク化が実現旅行業務支援システムに変革をもたらしたのは、他の産業と同様、Windows95の登場だ。Windows95はマルチタスク処理やユーザーインターフェースの大幅な改良が進められ、ネットワーク機能も標準搭載していたので一気に普及。システムの操作性やコストパフォーマンスにも優れていたため、旅行業務支援システムの主役に躍り出た。この画期的なOSの出現によってオフィスはCSS化が進み、これまで基幹業務システムとしてオフコンを使用していた会社が、ハードのリース切れやシステムの入れ替え期にパソコンを導入する姿が目立った。CSSの利点は、サーWindows95の登場でフロントオフィス業務へ転換スタンドアロ…ンが主流の80年代日進月歩という言葉がインターネットやパソコンの世界ではよく使われるが、1980年代前半から幅広く使われ始めた旅行業務支援システムも、オフコンからCSS(Client ServerSystem)、そしてASP(Application SewiceProvider)方式による提供へと、この20年の間に大きく様変わりした。旅行業務支援システムは、予約管理、顧客管理、出入金管理、渡航手続き関連書類の作成など、旅行業務に欠かせない一連の作業をコンピューターで処理し、それを経営資源として活用できるシステム。オフコン(オフィスコンピューター)が主流だった1980年代はネットワークがなく、スタンドアローン(コンピューターを他のコンピューターと接続せずに独立利用する形態)が常識だった。大手旅行会社は自社システムを開発する一方、汎用システムを購入する中小の旅行会社が目立ち始めたのも1980年代初頭だ。汎用システムを普及させたシステムプロバイダーの設立は、1983年に集中している。「リテール1」を発売したウィ・キャン、後に56 観光立国への道「ESPERANTO」を発売するアイコン、汎用システムの魁とも呼ばれる「ジェットマスター」を開発したアナライザーが揃ってこの年に設立された。ウィ。キャンは、富士通のOEMによリユーザックと内田洋行が販売していたオフコンを、アイコンの前身であるIDBはIBM製を、アナライザーはNEC製のオフコンを利用して旅行業務支援システムを開発した。支援システムといっても、当初は各社ともEDカード作成と顧客管理機能だけでのスタート。徐々に集計機能を付加し、請求書など帳票類分野へと拡大していった。当時、小規模な旅行会社にはファクスとワープロ程度のOA機器しかなかったため、システムのパフォーマンスはある程度認知されたが、1台当たりのオフコン費用が350万円(リテール1)と高く、リース料は月額7万円にも及んだ。ウィ・キャンは旅行業界誌に広告を掲載したが問い合わせは約500件に上り、そのうち約100件から説明が聞きたいなどの反応があった。関心の高さをうかがわせたが、コストパフォーマンスの問題もあって、成約は20社にとどまったという。E=甕二“?一. .●一一一一一一一一一:_C¬ロ―‐‐●″