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概要

40_1964-2003

旅行業ITの40年40 Years of lT in Travel lndustryCRSとの契約が不要になってから、かなりの時間が経過していた。端末公害とその解消国際的なCRS展開競争が始まる以前に、すでに日系CRSの端末展開、といっても自社便を有利に販売・発券させるためのシステムが進んでいたことはいうまでもない。「航空憲法」のもとで国際線と国内幹線はJL、国内線はNHという棲み分けがなされてきたため、旅行会社にとってはJLの国際線を予約。発券する「JALCOM」とNHの国内線を予約。発券する「リザーナ」は、どちらも欠かせないものだった。旅行会社が自社システムの専用端末を持っているケースもあり、オフィスや店頭にはいくつもの専用端末が所狭しと並ぶのが当たり前となり、「端末公害」なる言葉が生まれた。そこへ米国系のCRSが進出し、「端末公害」はさらに深刻さを増す事態となった。しかし、90年代に入るとCRSは専用端末展開からLAN展開によるオープン化に踏み出す。89年にいち早くWindows対応の専用端末型「フォーカルポイント」の提供を開始したガリレオジャパンは、94年には旅行会社所有のWindOwsパソコンにも対応する新バージョン「フォーカルポイントSE」もリリースしている。同様にアクセス国際ネットワークは94年6月にWindows対応の「AXESSLヽN」を、同年7月にはインフィニトラベルインフォメーションがオープンシステムに対応した「インフィニ・リンケージ」を相次いで発表。オフィスのIAN環境を活用したオープンシステムは、端末公害の解消に役立つことになった。現在は各CRSともブラウザーベースでCRS機能を利用できるプロダクトを展開している。先陣を切って00年11月にリリースされたのが「Web‐AXESS」。インターネットの環境さえあればブラウザ操作でフライト、ホテル、レンタカーの空席紹介や予約、情報照会など一連のAXI〕SS機能が使え、モバイル利用も可能。各社とも追随し、「GalileoN″ i」「AMADEUSVista」「INΠNI LINX」などが続く。これらが普及したことで「端末公害」の言葉は完全に死語となった。52 観光立国への道CRS/GDSの将来展望祝米国の航空会社は、経営環境が厳しさを増すなかで流通コストの削減に取り組んでおり、CRS/GDSの収益源となっているブッキングフィーが重荷になりつつある。01年の9.11同時多発テロ以降、その傾向は顕著だ。そして米運輸省によるCRS規則変更の動きが、航空会社とCRS/GDSの立場の違いを浮き立たせ航空17社の参画でスタートした「タビニ」。共同ウェブサイトの今後は?てヽヽる。現在、CRS//′ GDSIま自社システムを通じたブッキングを増やすため、旅行会社にインセンティブを支払っている。ところが今回の規則変更により「CRS/GDSから旅行会社へのインセンティブ支払いを禁止する追加条項」が設けられる可能性があり、さらにその傾向が進みそうだ。インターネットの普及により、航空会社がCRS/GDSに頼らない直販サイトを運営するようになったことも、航空会社とCRS/GDSの関係を変化させている。さらに「トラベロシティ」「オービッツ」「プライスライン・ドットコム」といった、オンライン旅行エージェントの機能を持ったサイトが勢力を拡大しており、航空会社がCRS/GDSをバイパスしやすい環境が整いつつあることも重要な要素である。これまでに培ったネットワークと技術力は、多方面に活用できる。セーバーが「トラベロシティ」に参画しているように、オンライン旅行エージェントや一般の旅行会社に予約エンジンを提供するのも選択肢のひとつ。アクセス国際ネットワークは、旅行会社のウェブサイトを通じて、一般消費者にAXESSの空席照会、予約機能、運賃規則情報などを日本語で表示するBtoBtoC型のブッキングエンジン「TrⅣelstage」を00年に開発。その後も改良を重ねて旅行会社がより使いやすいブッキングエンジンを目指している。アマデウスはITソリューションを中核事業のひとつとして位置付け、PSS(PassengerSewice System=旅客サービスシステム)のアウトソーシングなどに力を入れている。「今後5~7年以内にPSSにおけるトップ企業の地位確立を目指す」方針で、すでにカンタス航空(QF)が予約・発券システムをアマデウス・システムに完全移行するなど、PSS事業は順調に動き出した。もはやCRSでもGDSでもなく、TSP(Technology Ser宙ce Provider)へ進‐化を遂げようとしている。RE54劇質イ「SヽBIく|じAll Nrpp@ Airrays Affiicn AlrliEs87年に「リザーナ」と「セーバー」のオンライン接続がカットオーバー(写真はJTB本社内支店でのセレモニーの様子)異業種からの攻勢が始まる90年代末以降、情報技術の急激な進展を背景としたオンライン旅行会社の動きが日本でも始まる。99年にはリクルート系の「イサイズトラベル」が登場。同年、ダイヤモンド社や伊藤忠商事などの共同出資で「アルキカタ・ドット・コム」社を設立。00年にはソニーグループとエイチ・アイ・エスの合弁による「スカイゲート」が営業を開始。JTBも同年にヤフーとソフトバンク・イーコマースとの合弁で「たびゲーター」を立ち上げた。JLやNHなど主要航空17社は01年、米国の大手オンライン旅行会社「トラベロシティ」社の出資と技術供与により、国際線共同サイト「タビニ」を設立。02年の営業開始直後には、国内線共同サイト「国内線ドットコム」との業務提携も結んだ。しかし、これらの試みがすべて||1頁風満帆というわけではない。「スカイゲート」は当初期待したほどの成果が得られず、02年にはエイチ・アイ・エスが資本関係を解消。「イサイズトラベル」はユニークユーザー55万人を抱える巨大サイトに成長はしたものの、海外パッケージの販売が思うように伸びなかった。このため01年にビジネスモデルを転換、マーケットプレイス型ビジネスに転身した。そうしたなかで、96年に日立造船情報システムという全くの異業種が立ち上げた宿泊予約サイト「ホテルの窓口」が成功し、99年には旅行の総合サイト「旅の窓口」にリニューアル。00年には「旅の窓口」を運営するマイトリップ・ネット社として分社独立。現在は会員数約380万人にまで達している。インターネットショッピングモール最大手の楽天も、旅行分野への進出を強化している。楽天は「旅の窓口」を買収して、04年9月に楽天トラベルと「旅の窓口」の両サイトを統合した。さらに11月からは格安航空券卸のワールドトラベルシステム(WTS)にも出資し、オンラインの海外航空券販売を強化。総合旅行サイトとしての拡充を図っている。翡t宅レト~瑠目~・つLヽ"‐●やヽ ‐0し,■ね堕|