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概要

40_1964-2003

高まる人材育成の機運地域の魅力伝える「ひと」づくり日i‐● .●~地方での人材育成の機運が高まっている。国立大学が観光関連学科を設置したり、自治体などがツーリズムの専門家を育てたりする動きが出てきた。 ●地方の魅力を―番知っているのは地方。それぞれの地域において、 ▲自分たちの地域の観光資源をどのように活用すれば地域が活性化するか、 鬱何が欠けていて何が必要なのかを学ぶことが観光立国が目指す「―地域―観光」の実現には必要だ。③日立大学が観光学科設置ヘ轡山口大学は05年度、経済学部内に観光政策学科を設置する。募集人員は30人で、「観光政策分析コース」と「観光コミュニケーションコース」を設ける。政策分析コースでは観光の投資効果の分析などを学び、自治体の政策立案や旅行会社などでの企画立案ができる人材を育成。コミュニケーションコースでは語学力に力を入れ、国際的な視野を持った人材を育てる。琉球大学も05年度から観光科学科を法文学部内に設置する計画だ。同学科では「文理融合型の総合的アプローチ」(琉球大学)を採用し、日本と世界および沖縄の観光産業振興に貢献する「国際的に通用する実践型の人材育成」(同)を目指す。募集人員など詳細は未定だが、ハワイ大学旅行産業経営学部を中心に海外提携校との単位互換やインターンシップ(現地研修)などで連携協力する計画もある。和歌山大学の小田章学長は6月28日の会見で、学内で観光関連学部の開設を検討していることを明らかにした。世界遺産に登録された紀伊山地周辺をはじめ、温泉や自然など観光資源が豊富な同県の特性を生かし、自治体や旅行会社、ガイドなどの人材を育成。構想では06~ 07年頃に、150~ 200人規模で開設するという。日本を代表する観光資源である温泉を学術的に研究しようというのは金沢大学だ。4月から新設した授業「ゆったり湯学」では、泉質のその道のプロから体験学習の指導が受けられる(南信州あぐり大学院)化学や効能について教員らが講義するほか、県内の専門家を招き温泉のスポーツ医学や温泉掘削の技術などについて解説。また、県内温泉地を地元住民などとともに見学するオープンキャンパスも実施した。学問としての観光を学ぶ場に学部・学科開設とは別に、大学が観光を学ぶ場となる気運も高まっている。青森県は県内の観光産業を推進する人材を育成しようと、弘前、青森、人戸の3大学で公開講座「観光ビジネススクールはやて」を実施した。各大学の講座は、弘前大学では「ホスピタリティ能力養成講座」(定員約30人)と題し、もてなしについて学び、青森大学の「観光起業塾」(同約20人)ではIT(情報技術)起業とコミュニティービジネスの2コースを設置、八戸大の「八戸観光大学」(同約20人)では地域おこしや観光政策などについて学ぶ。各大学の在学生のほか、起業予定者や観光関連産業の従事者らが受講した。国立大学法人が観光を学問として取り上げ地域の自然や環境を学ぶことも大切な要素。農山村での体験はエコツーリズムにもつながっていく(九州ツーリズム大学)るようになった背景には、03年4月の観光立国懇談会報告書と、政府が取り組むべき施策をまとめた観光立国行動計画が後押ししている。報告書では、観光は知的・人的産業であるとの観点から官民を挙げた人材育成の必要性を訴えると同時に「専門の観光リーダーを育成するため(中略)高等教育機関において観光関連の学部を新設すること」を求めている。行動計画のなかでも、文部科学省の事業として「高等教育機関である国公私立大学に対し(中略)観光立国懇談会報告書の提言の周知を図る」と明記している。地域づくりは人づくりから地域のツーリズムを担う人材育成に向けて、地域が中心となって進める人づくりの動きもある。小国町(大分県)を拠点にツーリズムの実践的なノウハウを学ぶ「九州ツーリズム大学」や、飯田市(長野県)が進める体験活動の指導者育成事業「南信州あぐり大学院」がそれだ。九州ツーリズム大学は97年9月に開設した。現在学問として観光を学ぶ気運も高まっている(弘前大学 、「観光まちづくり学科」と「ツーリズム学 )38 観光立国への道b「.‐