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概要

40_1964-2003

CxnuerucEs FoR Tounlsrvrror'Ortft2Y-U7L化が起こっている。移動が不便なため、九州の住民は九州を移動するより東京方面に出て行く割合の方が高いといわれるほどだったが、特に福岡周辺の住民にとっての旅行先の選択肢が増えた。新幹線開業で最も潤っているのは指宿温泉といわれている。新幹線を使った指宿・鹿児島へのツアーは、週末はほぼ満員という。新幹線自体が新たな観光資源ということもあって、しばらくは九州での鹿児島ブームが続きそうだ。座席が増えるだけでは新規航空会社の就航では、スカイマークエアラインズが羽田と鹿児島、徳島を結ぶ路線を開設。また、スカイネットアジア航空が宮崎線に次いで熊本線を就航した。新規航空会社の参入直後に見られた既存大手との激しい運賃競争はなくなったものの、第3の航空会社の就航による運賃の多様化や供給量の増加といった変化が、国内航空市場にどういった影響を与えているのだろうか。国土交通省がまとめた航空輸送実績によると、02年4月にスカイマークエアラインズが就航した羽田/鹿児島線の旅客数は、02年に01年比で8.9%増、03年に02年比で3.2%増と増加しており、03年9月にスカイネットアジア航空が就航した羽田/熊本線は、03年実績が02年を7.0%上回っている。ただ、03年4月にスカイマークが就航した羽田/徳島線は03年実績が02年比で0.4%減少しており、新規航空会社の就航が必ずしも旅客数を拡大するとはいえない側面もある。また、鹿児島県がまとめた県外からの宿泊観光客数は02年実績が787万3000人と、01年の761万5000人より3%程度増えているが、逆に03年は762万8000人と02年より3%減少している。県外からの旅行者数が、皆航空機を利用するとは限らないが、航空機利用客の推移を見ると、新規航空会社の就航は、観光客を増やしたというより、鹿児島から東京向け地元自治体が主体となって冬ならではの魅力を提供し、「冬の東北」を創出した(十和田湖)の需要を拡大した効果のほうが大きいといえるかもしれない。スカイマークの子会社、スカイマークツアーズは、福岡、鹿児島についてはエア&ホテル商品を中心に展開しているが、徳島線は他社では扱っていない観光素材をアピールし、新規需要の開拓に努めている。たとえば、世界初といわれる陶板名画美術館「大塚美術館」をツアーのメインに取り上げ、瀬戸内海と大鳴門橋を一望できるリゾートホテル「ルネッサンスリゾートナルト」と組み合わせた。また、淡路、大歩危、祖谷のホテル・旅館を組み合わせられるプランも設定している。三位一体となつて航空会社や鉄道会社が新たに路線を開拓すれば、ある程度需要が増えるのは当然のこと。これを維持していくためには観光地開発が不可欠だと、交通機関だけでなく旅行会社も強調する。JR東日本の旅行業担当者は「はやての開業がターニングポイントだった」と話す。お膝元が最大マーケットの首都圏であるものの、路線の延びていく先が、冬は雪に覆われて人のいないエリアばかり。首都圏の旅行需要をいかにそちらへ引っ張っていくか、その唯一の答えが地元と一体となった観光地づくりであることを、北東北の開発で学んだという。それは秋田新幹線「こまち」で行く乳頭温泉、山形新幹線「つばさ」の銀山温泉など、トライアルで実施した地元との観光地開発がべ―スになっている。新規路線ではないが、JTBも01年下期にJR東日本、地元自治体との連携で「小野川温泉」を大ヒットさせた。全日空とは03年上期に「大歩危・祖谷温泉」を首都圏向けに商品開発。それぞれ半期で数千人を集めるという成功を収めている。さらに昨年10月から、JR西日本の「ディスカバーウエスト」キャンペーンに合わせ、日本旅行が岡山から西の「瀬戸内」地区を単独パンフ■■■北東北というマーケットが確立してきた。青森からさらに北上する下北半島に足を延ばすパターンも(下北半島・横浜町)●ここ数年のできごと02年 4月スカイマークエアラインズ 羽田/鹿児島線就航12月東北新幹線「はやて」開業03年 4月スカイマークエアラインズ 羽田/徳島線就航7月能登空港開港 全日空就航9月スカイネットアジア航空 羽田/熊本線就航04年 3月九州新幹線開業●航空輸送実績羽田/鹿児島羽田/熊本 羽田/徳島00年 202万4689人 153万3705人 79万9643人01年 207万3523人 159万8958人 81万2882人02年 225万7209人 162万2575人 79万6268人03年 233万0408人 173万6800人 79万2903人レットで商品化した。尾道・高見山からの夕景鑑賞や、輌の浦温泉など、地元の人も見落としてしまいがちな景勝地をクローズアップし、地元が主体となって観光バスを走らせるなど、新しい観光地をつくり上げている。日本旅行によると、「期待以上の成果が上がっている」といつ。近年、旅行会社と交通機関、自治体による観光開発が進む背景にはまず、旅行会社側の危機感がある。一部の添乗員付きコースを除き、国内旅行のパッケージ商品のほとんどは個人型旅行。従来のような交通機関プラス宿という商品ばかりでは、単なる価格競争に終始し、結局、顧客の旅行会社離れを促すだけだという。交通機関にとっても、路線維持のためには新たな需要の開拓が不可欠だ。また、自治体はこれまでも独自で観光促進に努めてきたが、その努力がマーケットに届かなくては意味がなく、流通=旅行会社と組むことが最大の効果をもたらすと理解し始めるところが増えてきてた。小野川温泉など、商品開発にこぎ着けるだけでなく、その後も地元でのサービスメニューの提案を絶え間なく続けているところが、大きな成功を収めている。新規路線もある程度の時間が過ぎれば、ブームは一段落する。その先に、どう新しい需要を開拓していくのか。旅行会社、交通機関、自治体の二位一体となった取り組みがその路線を生かすことになる。「はやて」の開業は、東北地方における旅行者の流れを一変さ|せた観光立国への道 37:`‐、