ブックタイトル40_1964-2003

概要

40_1964-2003

GIT運賃の廃止、?T運賃。新ベックス運賃の導入など、93年に業界は新しい運賃制度時代に。格安航空券の存廃が関心事のひとつとなったが……運輸省は国際線航空運賃制度の大幅な改定を行った。GIT運賃のMTP撤廃(92年)を踏まえた後、94年にはGIT運賃が廃止され、個人需要にマッチした?T運賃が導入された。また、一定の幅のなかで運賃を自由に設定できるゾーンPEX運賃も設定され、マーケット情勢に弾力的な運賃制度になった。新運賃制度はGIT運賃のバラ売りなどによる不透明性を払拭する狙いもあった。97年には航空分野における自由競争の促進策からスカイマークエアラインズ、エア・ドゥ(北海道国際航空)など新設航空会社の国内幹線参入が認められ、99年には国内線航空運賃の下限が撤廃されるなど国内線はオープンスカイに機首を向けた。CRSはGDSへ合従連衛航空・旅行産業のコンピュータリゼーションは、在庫管理部門を中心に開発されてきた。航空座席、宿泊施設、旅行商品の的確で効率的な販売・在庫管理が経営を左右した。60年代にジェット化、70年代に大型化を進めた航空会社は、CRS(コンピューター予約システム)を70年代半ばまでに完成させる。CRSはバージョンアップして、85年には電波管理法改正によってCRS企業として独立する。航空会社の予約システムとしてスタートしたCRSだが、予約機能が拡大し98年のサッカーW杯観戦チケット問題で業界は前代未聞の混乱に。業界の信用は大きく失墜し、JATAなど関係機関も対応に追われたスカイマークエアラインズは98年9月、東京/福岡線に新規参入した(写真は福岡空港新カウンターオープン時の様子)'嶼麟 祝500万人達成ジャルパックは35周年の99年11月、500万人目の旅客を迎えた。アイルラスベガス5日間のカップルが祝福された世界的な不安を呼んだコンピューター2000年(Y2K)問題。ホールセーラー各社はパンフレットに明記して事前告知に努めた91年に勃発した湾岸戦争で業界に激震。旅行経営の危機管理や産業挙げてのリカバリー・キャンペーンの必要性が問われた。写真は数寄屋橋交差点て旅行全般に及ぶ供給・在庫管理機能を発揮するようになるのである。旅行会社のパソコンにCRS機能をリンクさせるオープンソフト化も可能になって、CRSの合従連衡も始まる。96年から表面化した航空会社のコンソーシアム進行によってCRSはGDS(グローバル・ディストリピューション・システム)として、まさに地球サイズの旅行素材流通機構を形成するようになる。セーバー、ガリレオ、アマデウス、ワールドスバン、INFINI/アバカスなどのディストリビューターが出現した。経営危機はアライアンスで打破GDS出現の主因になったのは、米航空会社を中心としたメガ・アライアンス(グローバル・アライアンス)である。78年に始まった規制緩和で熾烈な競争が激化した結果、寡占化した大手航空会社は国際線で路線協定を積極化する。共同運航(コードシェア)、運賃協定、FFP(フリークエント・フライヤー・プログラム)の共通化、CRS提携など多部門での提携が実施された。これによって販売路線の拡充、リピーター(顧客)囲い込み、イールド向上を促進させる一方、不採算路線のリスク分散や空港などの設備投資の節減など抜本的な経営合理化を推進させた。スタ◎海外旅行40年の航跡一アライアンス、ワンワールド、ウイングス、アトランティック・エクセレンスなどのグループである。アライアンスに参画せず、コードシェア分野での2社間協定も、90年代後半には目まぐるしく進展した。バブル崩壊、リストラ、大型倒産…航空会社のコスト軽減策に匹敵する経営努力は、日本の旅行業界でも行われた。93年のバブル経済崩壊は金融、建設、大手小売りなど基幹産業に寒風を吹き込んだ。旅行業界がこうしたバブル崩壊の影響を直接受けるのは、97年に入ってからである。土地神話の崩壊、金融危機、企業倒産などの余波が旅行業界にも到来した。デフレが進行して、コンシューマーは先行き不安感から大型レジャー消費を引き締めた。98年にはジェットツアー、四季の旅社などの大型倒産が相次いだ。「リストラ」が流行語になって、事業縮小、賃金力ット、人減らしなど窮余の策の選択を迫られる旅行会社が続出した。世紀末には近畿日本ツーリストと日本旅行の合併計画が進められて、コンピューターの「2000年問題」が懸念された。航空会社、旅行会社、ホテルなど、世界中の旅行産業は緊張のうちに21世紀を迎えた。観光立国への道 150爛■,.■5κ И 明IZRκ′%目性″MEヨ▲口■ロ二一