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概要

40_1964-2003

大量送客時代を迎え活気付く旅行業界。77年11月には第一回日本国際観光会議が開催、将来を見据えた議論が交わされたV ISITヽ‐ 彙平” .米 国ヽ観2t2- ,r > *a70年に開催された大阪万博会場。米国は観光館を設営してPRに務め大勢の人々が訪れたジャンボジェット就航を控えて日本航空が一大キャンペーン。数奇屋橋のソニースクエアには大型模型が出現(70年)ルのG IT運賃だ。ノーコミッションのバルク運賃が短命に終わった背景には、コミッション収受を経営基軸としてきた旅行業者の、代理店体質が横たわっていたといってもよさそうだ。かくして、旅行業者は①航空会社エージェント、l②パッケージ商品メーカー、③ホールセール商品リテーラーという三要素を看板に掲げることになる。このマルチ機能、多重構造はその後も継承されている。商社、銀行も旅行業に参入60年代のステイタスシンボルだった3C(カー、クーラー、カラーテレヒ)に代わって、70年代には3P(パスポート、プール、プレーン)が憧れの的になった。万国博覧会(大阪)の開催で幕を開けた70年代は、前半のGDPが平均7%の成長率を記録した。団塊の世代を中心に大型レジャー消費の余暇時代が到来し、海外旅行が一大ムーブメントになった。70年に66万人だった海外渡航者は75年に246万人、79年には400万人の大台を突破し、急成長した。こうした海外旅行の急成長に着目したのが銀行、デパート、スーパー、新聞社、放送局、商社などの大手企業である。中堅旅行会社への資本参加や子会社設立など、他産業からの旅行業進出が目立った。その結果、旅行業者はさらに多重的な性格を濃厚にした。家内工業的なパパママ・ストア、コミュニティー密着型のリテール専門店が多い欧米の旅行業界と日本の旅行業界が決定的に異なるのはこの点である。70年代の旅行業者は、国際進出する“ニッポン株式会社"の象徴的先兵でもあった。円高が海外旅行ブームを加速70年代の海外旅行ブームを加速させた要因は、高度経済成長だけではない。もうひとつの要因一それは、スミソニアン協定(71年)を発端とする通貨変動である。変動相場制の導入によって1ドル=360円の固定相場は崩れ、国際通貨は円高時代を迎える。「強い円」をバッグに収めて、日本企業の海外進出と歩調を合わせるように若い女性達も気軽に海外旅行を楽しんだ。海外ハネムーンが常識になって、職場の海外旅行も珍しくなくなった。工学期を迎えた小学生のなかには海外国焼け組も現れた。旅行商品の技術革新も進展した。商品は周遊旅行主体からモノ・デスティネーション滞在型旅行にシフトした。現地法人によるオペレーションシステムの確立、ノンエスコーテッドツアーの振興、デスティネーション開発、商品の多様化など、旅のソフト開発が一気に進展した。「つくれば売れる」時代で、旅行の販売拠点は東名大福の幹線からローカル都市にネットワークを79年2月には「ルック」が100万人目の旅客を達成。「カリフォルニアパーソナル」(PA利用)の参加者から100万人目が選ばれ祝福◎海外旅行40年の航跡拡大した。ホールセーラー各社の商品発表会が、全国各地で競うように開かれた。海外からのセールスミッションも活況を呈し、旅行業界も円高メリットを享受した。60年代が「観光旅行のパイオニア」の時代だとすれば、70年代は「大量輸送、大量販売、大量消費へのチャレンジャー」の時代。そのチャレンジャーの中核になったのがホールセーラーである。大量販売のヒズミも70年代末には大量販売のヒズミも現れた。航空会社や海外土産品店からキックバックが公然と行われ、旅行業経営に組み込まれる。これが国税庁の目を引いた。その反動としてグループ運賃のパラ売りも始まる。格安航空券の専門店が“必要悪"として現れ、既存業者が無視できない流通の二重構造が形成される。旅行業経営は増収増益路線を進みながらも、利益率低下現象を引き起こした。しかしまだ、利益率の低下は拡大再生産でカバーできた時代だった。旅行業界の行動半径が拡大する一方で、コンシューマー保護運動も起こる。不当表示など荒っぽい商品販売が行われて、公正取引委員会が腰を上げた。いずれも経営の屋台骨を揺るがすほどの動きにはならなかったが、こうした小さなヒズミが80~90年代に表面化して、旅行業の体質を変える因子になっていくのである。観光立国への道 117,lツ丁ト〔〆2蹴9急成長する海外旅行ビジネスにデパートも参戦。ヨーロッパ旅行やハワイ旅行の広告幕が消費者を引きつけた(71年頃の東京・銀座)▲箋ψPメLA,rtト_|ヽ可1蘇書卜」≧響叫」“ビ