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概要

35_1964-1999

人益'手'も抜群′ヨIずたロストラリコのL▼ケテイング展開V~場の欲求を変えていくのは可能だ。今の市場では見向きもされないデスティネーションに,「行ってみたい」デスティネーションとして購買力ある市場を導いていく。それがデスティネーション・マーケティングである。1980年のオーストラリアの市場占有率はわずか1.2%。その数値を10年後の1990年に4.4%にまで伸長させたオーストラリアは,1980年初頭からはっきりとマーケティング意識を持って行動していた。まず市場と流通の仕組みを知る1980年夏。オーストラリア政府観光局(ATC)の日本局長として前年赴任したばかりのスティーブ・ルパージ氏(1985年2月まで同職)はオフィスで途方に暮れていた。日本人旅行者の数を増やすにはどうしたらよいのか。彼は30歳を越えたばかりで仕事に対する情熱に満ち,やる気に燃えていた。スタッフは3人。与えられた予算の規模は,支局を構えること自体に意義を見出さなければならないほどの情けなさであった。日本人はなぜ,何を求めて外国に旅行口”    』ロ<4穏1鮮:海外旅行市場規模が10年間で2.8倍に拡大した80年代。同じ期間にオ…ストラリアを訪れる日本人旅行者数はなんと10倍になつていた。それはマーケティングの勝利だつた。多くのデスティネーションが急成長を進げた80年代にあつても,特にオーストラリアの躍進振りは業界の記憶に新しい。その成長基盤となつたマ…ケティング手法をケ…ススタデイとして取り上げてみたい。10年で市場が10倍にョと消費者を動かした業界の熱意オーストラリアとマーケティング今でこそ,マーケティングという言葉を日常的に聞くようになったが,旅行業界でマーケティングという語を一般的に使用するようになったのは,1980年代前半のオーストラリアが最初だった。よく混同される語句である「セールス・プロモーション」は販売促進の意。すなわち今の市場に向けて作った製品をより多く販売することを支援する活動である。それに対してマーケティングは市場創造の活動だ。社会に新しい欲求を興して市場を改造し,販売を計画した商品が必要とされる生活コンセプトを消費社会の中に作り上げていく活動である。私たちのビジネスに例をとって言えば,例えば,こうである。デスティネーションは変えられない。そこにはツーリズムとは関わりなく自然が存在し,人々の生活があり,社会がある。デスティネーションを旅行市場が望むように作り変えるのはほほ「不可能だ。しかし,市するのか,と悩み抜いた末,ルパージ氏はこう考えた。「ちょっと待てよ。私が分からないんだから,オーストラリアの受け入れ側はもっと分からないはずだ」。確かに当時の日本からの訪間者数は年間で4万5000人足らず。オーストラリアの旅行産業は日本市場に特別な期待は抱いていなかった。フラッグキャリアであるカンタス航空にしても,ビジネス客を中心とする8割を超える高い平均搭乗率の環境が心地良く,増便の意志も計画もなく,現状の収益性の良さだけを楽しんでいた時代である。彼が最初に手掛けた仕事は,オーストラリアの旅行関係業者のために,そしてもちろん自分自身のためにも,英語による日本旅行市場の解説書を編纂することであった。まず戦う相手を知ることである。1981年の秋に第1版が刊行された「Guide to the Australian Travel Marketin Japan」と題されたタイプ打ち・140ページに及ぶ解説書は,日本の経済,生活水準,旅行市場の規模・構成から,旅行者特性,旅行業界の流通の仕組み,代表的な旅∫θ■■|~¬静苺ヽll門□ ヽ¬」ンP・ラ来年●ここ●