ブックタイトル30_1964-1994

概要

30_1964-1994

八ネムーン編グアム,ハワイから欧州,オセアニアヘと延びた海外ハネムーンハネムーナーは旅行産業にとって,かつては手堅い不動産的な存在であった。だが,今ではユニット利用で現地発着のヨーロッパ新婚客も出るほどの様変わり。時代が変われば新婚旅行トレンドも変わる。グアムヮハワイからオセアニアヘ展開。伊豆の山々からグアム新婚への転機▼海外ハネムーンの初期はグアム・サイパンが主流。機内はカップルで熱々ムードは「4泊5日」が36.5%で最高となり, この)イ笈に 「3,自4日」「5,白6日」が帝売く。したがって,この時代の海外ハネムーンは日程,経費の両面から見てもグアム,ハワイが限度となっている。このほかのデスティネーションとしては,香港6日間13万円台,台湾4日間10万円前後と,近距離アジア商品も発売されているが,人気の点ではグアム,ハヮイに及ばない。そして, このグアム,ハヮイの人気が高まるにつれ,旅行者から現地における挙式の要請が出始めた。これに対応するため, 日本交通公社(JTB)ではグアムUS S 120ドル(4万3200円),ハワイUS$200ドル(7万2000円)の費用で現地の教会で牧師立合いの挙式をセッティングするという付加価値を付けた。また,初期の海外新婚グループには,添乗員がエスコートするのが通例であった。このため,添乗員が奥さんを同伴するという配慮までした実例がある。こうした新婚客への接遇には,通常の旅行客とは異なった気を遣う。そのための添乗′じ`旱は“付かず,離れず,接して,触らず"ハ新婚新婦に対する心配りであったという。米国,欧州が新婚旅行コースに参入海外観光渡航自由化初期の昭和40年(1965年)頃,海外ハネムーナーは稀な存在であった。若いカップルには旅行費用が高すぎたからだ。この時点では, 2泊3日の国内旅行が主流で,関東なら伊豆,熱海,関西では南紀周辺が主流であった。海外新婚旅行が独立した販売対象となったのは1960年代の終わり。いわゆる戦後べビーが結婚適齢期に達した頃から本格化している。ちなみに,厚生省力奪斤婚カップルを年間で100万組と試算した1969年には,旅行業界内でも新婚向けパッケージ商品の販売が強化されており,主な対象となったのはグアム3泊4日(1人当たり9万円台),ハワイ6泊8日(20万円台)のブライグルパッケージが人気を集めている。グアムを1麟交的早い時期に,辛励昏デスティネーションに仕立て上げたのは東急航空(現東急観光)である。このグアム商品を持ってルックと業務t題1方をした時期もあった。当時, 10, 11月吉日のパン・アメリカン航空グアム便は80%がハネムーナーで占められるという活況を呈している。だが,全体的な数量でいえば国内需要が高く,方面別では南九州が25.9%で最高となり,いわゆる南国,“宮崎ハネムーン"の時代である。経費面では地域によって隔差が出るが,平均では「8万円以上」が最高の26.8%を占めている。また,旅行日数で761970年代も中盤になると,新婚旅行のニューフェイスとして,アメリカ, ヨーロッパカ導斤たに登場してくる。その背景としては,国民所得の向上と,国内旅行と海外旅行の経費がイ余々に差を詰めだしたことが大きな原因。ちなみに74年時点のグアム4日間が20万円なのに対し,東京発南九州4日間が16万円。この価格差の急接近が,ハネムーナーの海外志向をあおる結果となる。そして来斤婚旅行の目的地としては,相変わらずハヮイ,グアムが圧倒的な強さを示す。だがヽ新たに登場してきたのがアメリカ(主として西海岸)とヨーロッパ周遊である。こうした遠距離型新婚コースの出現は,1969年以降に実施されたバルクIT運賃によるパッケージ商品の低廉化が影響しており,全体的に見れは欧米への比率は数量的にまだ低いが,ハネムーン多様化の片鱗をのぞかせている。そしてまた,この時点のヨーロッパ・ハネムーナーには,新婚旅行という目的を利用した生涯一度の区炒卜1旅行という意識も感じられる。事実,ハ不ムーナーの多くハ初の海外旅行経験者であった点から見てゆ卿|1旅行への′障1景を裏付けることがで｀きる。「新婚旅行にベテランはいない」と言ったのはJTBの元課長だが,当時はまだ,これが事実であった初々しい時代であり,「新婚にも海外旅行のベテランが増えた」,成田「１】1l鵬』鮭凰鳳」